【夫婦必見】全く育児しない夫を協力的にさせる方法!
「総務省統計局:明日への統計2020」によると、6歳未満の子どもがいる世帯における平均育児時間は「夫:49分」「妻:3時間45分」と夫婦で約4倍も育児時間に差があります。
共働き世帯が、48.8%(同統計より)まで上昇しても、男性の家事育児時間は、前述の通り少なく、女性の負担が解消されているとは言えない状況です。
そこで、本記事ではそういった夫婦格差を是正するために、全く家事育児をしない夫を協力的にする方法を紹介します。
なお、本記事では女性目線ではなく、男性目線で「夫は何故家事育児しないのか」を分析しています。
1.夫が家事育児に協力しない5つの原因
男性が家事育児に協力しない典型的な5つの原因から紹介します。
1-1.家事育児のやり方が分かっていない
まずはじめに、悪意のないケースから紹介すると、夫の一人暮らし期間が短く(又は無く)、家事や育児をどうやっていいのか、分かっていないケースがあります。
例えば、皿洗いの"仕方"が分からない、という人は少ないと思いますが、皿洗いを"いつ"するのか、"いつまで"にしておけば困らないのか、他の家事育児とどう干渉するのか、家事育児の全体像が分かっていないことがあります。
家事育児の全体を把握している妻は、いつまでに終わらせておかないと後に詰まるのか想像できますが、断片的にしか家事をしていない夫にとっては、そういった妻の焦りを理解できていないのです。
また、同じ皿洗いの中でも、「水を出しっぱなしで洗っては流す」を繰り返すタイプと、「全て洗剤で洗ってからまとめて流す」タイプがいます。
夫婦間でこのようなやり方の違いがあると、心配性な男性は「他にも気付いていない妻のルールがあるかもしれない…、手を出せない…」と思ってしまっている可能性があります。
つまり、家事や育児の方法、全体像、スケジュール感が夫婦で共有できていないケースと言えます。このケースでは「やろうとは思っている」といった口だけは達者で、実際には家事育児に協力しないパターンが多く見受けられます。
1-2.やらなくても妻がやると思っている
また、人間的に怠慢な夫であれば、やらなくても妻が文句を言いながらやってくれる、と思っていることがあります。
少し言い方を変えれば、妻のことをお母さんと捉えてしまっているのかもしれません。反対に、言い方を良くすれば、それだけ妻に絶大な信頼をおいているとも言えるかもしれません。
妻は不満を言いながらも、テキパキと家事育児をこなしてくれますし、自分がやらなくても家庭は回っている為、自分が家事育児をしなくても、そういった関係がこれからも続くと勘違いしているのです。
つまり、妻の負担やストレスを夫婦で共有できていないケースと言えます。このケースでは、「ごめんごめん」と言いながら、積極的には協力しないパターンが多く見受けられます。
1-3.妻が主体で夫はサポートだと思っている
続いて、特に専業主婦の世帯で多いのが、あくまで家事育児の主体は妻であり、夫はサポートだと考えている場合があります。
例えば、家計を支えるのが夫の仕事で、家庭を支えるのが妻の仕事だと思っているケースです。このケースでは、一見すると役割分担ができているように見えるところが、厄介な部分です。
専業主婦世帯のように、「家事育児は私」「お金を稼ぐのはあなた」という同意が夫婦間で取れていれば問題ないかもしれませんが、共働き世帯ではそういうわけにはいきません。
育児のために仕事を休業したり、短時間勤務に変更していることはあっても、「私一人が主体的に育児をする」と決めているわけではないはずです。
つまり、暗黙的に育児の主従関係ができあがってしまい、家事や育児の責任者(主体者)を、夫婦で共有できていないケースと言えます。このケースでは、「手伝うよ」といった妻の仕事をサポートする、という趣旨の発言が多く見受けられます。
1-4.そもそもやらなくてもいいと思っている
世代によって多いのが、そもそも家事や育児は女性の仕事(本能)、と思っているケースです。
新聞を読みながら、「おい、お茶」と言っていればいい、と考えている亭主関白な男性は少なくなっていると思います。
しかし、子ども時代に父親は何もせず、母親が家事育児を全てこなしていた記憶がある方は多いのではないでしょうか。
実際に、「厚生労働省:全国家庭動向調査」によると、上の世代ほど妻の家事分担割合が高い傾向となっています。
小さい頃からそういった環境で育っていると、「男性は家事育児に主体的である必要はない」と考えてしまうのかもしれません。
つまり、お互いの育った環境や家庭の将来像を、夫婦で共有できていないケースと言えます。
このケースでは、世間体を気にして「妻にやってほしい」と押し付けてくるパターンが多く見受けられます。
なお、男性のみならず、女性自身も男性の家事育児参加に期待していない(育児休業を希望しない)割合が6割近くあります(厚生労働省の調査資料より)。
女性としても、子どもの頃に見てきた固定概念を変えていかなければならないのかもしれません。
1-5.家事育児に不慣れで無力感を感じている
また、家事育児に協力したい気持ちはあるが、うまくできないことで諦めてしまう、というケースもあります。
何とか家事育児をしようとしても、妻のやり方が分からなかったり、不慣れな作業で手間取っているうちに、「私がやるからいいわ」と怒られた経験のある男性に多く見受けられます。
妻の負担を軽減したい気持ちで自分の時間を使っているのに、結局妻をイライラさせてしまうのでは意味がないと感じてしまうのかもしれません。
つまり、夫の努力や気持ちを、夫婦で共有できていない(妻が気付いていない)ケースと言えます。このケースでは、夫の気持ちを考えずに、妻が一方的にイライラをぶつけている光景が多く見受けられます。
夫の不手際にイライラする気持ちは分かりますが、経験の豊富な妻と同等の成果を求めるのは、少し酷すぎるかもしれません。
1-6.妻の方が家事育児の基準値が高い
また、筆者の家庭でも実際に経験したケースとして、妻の方が家事育児の基準値が高い、というケースがあります。
しきい値(ある行動をするまでの基準値)と表現した方が良いかもしれませんが、夫婦間で「やらなければならない」と感じるまでの基準値が異なっている可能性があります。
例えば、「洗剤の補充」のタイミングは人それぞれ異なっており、夫は「完全に無くなって次に使う時に補充する」と考えているのに対して、妻は「無くなりかけたら補充する」と考えているケースがあります。
このケースでは、妻の方が「洗剤の補充」を行う基準値が高く、夫の基準値に達する前に、洗剤の補充が完了してしまうことになります。結果的に、毎回のように妻が「洗剤の補充」を行い、夫が協力しないように見えてしまうのです。
今回紹介したような基準値の違いは、客観的に見ればどちらでも良く、どちらが正しいとは言えません。極端な例で言えば、どちらの基準値でもない「洗剤は半分まで使ったら補充する」という新しい基準値を作ったとしても、半分で補充するのは面倒くさいと感じるのではないでしょうか。
このように感覚的な基準値が異なっていると、夫婦のどちらかは必ず「そのレベルで行動するのはまだ早い」と感じてしまう為、なかなかお互いの協力を得ることが難しいものです。
しかし、忙しい時間に負担が掛からないように前倒しで済ませておこうと考える妻の方が、家事や育児の基準値が高くなりやすい傾向があることも事実です。
これでは、妻の方(気付くのが早い方)ばかりに負担がかかり、不満が溜まっていくことになります。「困らないように余裕をもってやっているのが馬鹿らしい…」と思うこともあるかもしれません。
このケースでは、夫の基準値を全て妻の基準値まで引き上げることは難しく、夫の基準値まで妻の基準値を下げる努力も必要になるかもしれません。
どちらか一方が悪いのではなく、育った環境の違いによる「行動するまでの基準値」が影響していると言えるでしょう。
2.夫に家事育児を協力させる4つの行動
続いて、そういった家事育児ができない夫を協力的にさせる4つの行動について、紹介します。
なお、SNS等では、「何故、一人の大人である夫を妻が育てなければならないのか」といった不満を耳にすることがありますが、そんな夫を選んだ本人が言う不満ではないと考えられます。
例え大人であっても全てが完ぺきな人間は存在しません。少し厳しい言い方になるかもしれませんが、お互いにお互いの足りない部分を補いながら、成長していく必要があることは言うまでもありません。
「協力しない夫に文句を言いながらこのまま過ごすのか」「協力しない夫を育てて協力させるのか」どちらが良いか考えた上で、読み進めて頂ければ幸いです。
2-1.家事育児の負担を可視化する
家事育児に協力的でない男性の多くは、「自分は仕事の負担がある」「仕事と家事育児の負担は同じくらい」と考えている可能性があります。
お互いにお互いの負担を把握することができていない状態では、「私も(僕も)大変なんだ!」という大変さ合戦になってしまうことも少なくありません。
まずは時間ベースで、「夫の仕事と家事と育児の合計時間」と「妻の仕事と家事と育児の合計時間」を可視化し、それらの時間を比較してみることから始めましょう。
平日だけでは夫が有利になってしまう場合もある為、休日を含めた1週間の合計時間で算出すると良いでしょう。
この合計時間に偏りがみられる場合は、シンプルに「合計時間(負担)を対等にしたい」と持ち掛けることができるようになります。
反対に、偏りがあまり見られない場合は、お互いに大変だということであり、お互いに思いやる気持ちを持たなければいけない、と気付くことができます。
なお、家事育児の可視化については、「【夫婦必見】家事育児の夫婦分担リスト!役割分担の方法や効果まで」にて詳しく紹介していますので、参考にして頂ければ幸いです。
2-2.家事育児のやり方を教えて自信を持たせる
前述した家事育児の可視化によって、合計時間に偏りが見られた場合は、家事育児を分担するように夫に持ち掛けましょう。
その際に注意しなければいけないのは、「夫に家事や育児を押し付ける」のではなく、「"妻の"家事育児のやり方を教える」ということが大切です。
「家事なんてやり方は大体一緒で誰でも分かる」という気持ちは抑えてください。洗濯で言えば、洗濯の頻度、洗剤の場所や量、柔軟剤の量、色物の分け方など、ひとつひとつを教えていきます。先ほどの「洗剤の補充」のような衝突が起きないように、「ここまで減ったら補充する」といった妻の基準値も教えておくと良いでしょう。
ここで大切なことは、自分(妻)が満足できる家事を教えてあげることです。自分が満足できる家事や育児の方法を教えていなければ、手直しに時間がかかり、結局負担が解消しないことも少なくない為です。
また、"妻の"家事育児のやり方を教えることで、夫の自信に繋がり、やり方が分からずにできなかったり、失敗によって無力感を感じることが少なくなります。
ちなみに、筆者は一人暮らし期間が長かった為、一通りの家事は経験していましたが、やはり洗濯などは女性ものと男性もので違っている点がありますし、家庭によっても異なる点がある為、妻からひとつひとつ教えてもらいました。
意外と当たり前だと思っていたことが当たり前ではないことに気付かされて、面白いかもしれません(恥ずかしながら、乾燥機で全て乾燥させていた筆者は、洗濯物を干す前にシワを伸ばすことを知りませんでした…)。
2-3.特定の家事育児を1週間夫に任せて褒める
続いて、妻の家事育児のやり方が分かれば、実際にその家事育児を1週間、夫に任せてみましょう。
たった1日では、他の家事との繋がりや、消耗品の補充管理といった経験ができない為、最低でも1週間程度は必要だと考えられます。
また、1日ではそこまで大変ではない家事でも、1週間毎日継続すれば、継続の大変さも経験できるはずです。
ここで大切なことは、(例え思っていなくても)1回1回感謝の気持ちを伝えることです。「ほらね、大変でしょう」ではなく、笑顔で「ありがとう」を伝えてみてください。自分が家事をすれば妻が笑顔になる、という印象を付けることができます(ペットみたいですが…)。
家事育児を実践することによって、その大変さを実感し、夫婦で大変さを共有することができます。また、大変さの共有だけでなく、夫の家事育児に対する自信にも繋がります。
2-4.家事育児の分担表を作って習慣化する
いくつかの家事育児において、1週間程度の経験を積めば、それを継続していくために、家事育児の分担表を作ります。
はじめは、1週間の延長線として、特定の家事育児のみを夫の役割とします。
例えば、「今週は夜の皿洗い、来週は洗濯物を畳んで片付けてね」といった具合です。家事育児の全体像が把握できるように、できるだけ幅広く経験させることが大切です。
そして、何も言わなくても分担を勝手にするように習慣づいてくれば、さらに家事を追加します(一気に増やすと抵抗されるので慎重に)。
なお、この時点では、夫の役割分担をしっかりこなしている以上、他の家事をしていないことに対しては、文句を言わずに我慢してください。このタイミングで文句を言うと、「結局、家事をしても怒る」といったマイナスイメージに繋がり、振り出しに戻る可能性があります。
分担表をしっかりとこなせるようになれば、夫は徐々に家事育児の全体像が見えるようになります。
全体像が見えれば、妻が何に困っているのかが見えるようになり、何も言わなくても夫が動いてくれるようになるはずです。
ここまでできれば、後は各家庭毎にどういった分担で生活していくのか話し合い、分担表を無くしても、夫婦連係プレーで家事育児ができるようになるはずです。
筆者自身も分担表で管理していましたが、気付けば分担を無視して妻の分担をしてしまいますし、妻も私の分担をしてくれるようになったので、今では「あるだけ分担表」になりつつあります。
3.家事育児に協力しない夫は家族の責任で叩き直す
以上で、全く育児をしない夫を協力的にさせる方法は終わりです。
なお、「育児しない夫」を作り出したのは、夫自身の責任であると同時に、家族の責任であるとも言えます。「育児する夫」に変えるためには、焦らずゆっくりと、家族全員で向き合うことを心掛けると良いでしょう。
また、「育児しない夫」に限らず、夫婦の様々な共有不足によって起きる問題は、少なくありません。「言葉にしなくても分かっているはず」と甘えず、ひとつひとつ夫婦で気持ちを共有するように努めることが、大切なのかもしれません。