【夫婦必見】家事育児の夫婦分担リスト!役割分担の方法や効果まで
本記事では、「夫婦どちらも家事育児がそこまで好きではない」という家庭向けに、家事育児を役割分担する方法、メリット、家事育児リスト、分担例を紹介しています。
なお、「分担はしたくない」という方でも、家事や育児をリストアップすることで、家事育児の大変さを夫婦で共有できるメリットがあります。
育児ステージに入ると、夫婦二人の時とは生活スタイルが変わり、家事や育児のやり方も大きく変わってきます。そういった家族ステージの変化に応じて、家事育児をリストアップしながら整理していくことが大切だと考えられます。
1.夫婦の家事育児の役割分担によるメリット
まずは、本記事で紹介している家事育児の分担によって得られるメリットを紹介します。
なお、文頭にも記載していますが、本記事は、「夫婦ともに家政婦(夫)並みに家事育児が得意で大好き!」という家庭向けではなく、「夫婦ともに家事育児はほどほどに」という家庭向けに、家事育児リストと役割分担例を記載しています。
1-1.夫婦間の家事育児レベルを対等に保てる
最初にして、最大のメリットは、「夫婦間の家事育児レベルを対等に保てる」ということです。家事や育児を役割分担することによって、家事育児にはどういったものがあり、どういった負担になっているのか、夫婦で共有することができます。
また、特定の家事が得意であっても、自分の役割でなければ相手に任せる、反対に苦手でも、自分の役割であれば自分でやる、といった環境ができることで、お互いの苦手(や無知)を克服することにも繋がります。
夫婦の家事育児レベルに偏りが無くなれば、一時的に忙しい日(例えば予防接種など)に、一部の家事育児を相手にお願いすることができます。「相手にはできないから、事前にこれして、帰ってからあれして…」と、余裕のない生活を送ることも少なくなります。
そして、何よりも「自分が居なくても何とかなる」ということが、心の支えとなります。
諸外国と比較して、家事育児の負担が極端に女性に偏っている日本においては、女性の家事育児の負担を分散する為にも、意識的に家事育児の役割分担を行うことが大切と言えるでしょう (「内閣府:我が国における子育て意識」より)。
1-2.家事育児の大変さを共有できる
続いての大きなメリットは、「家事育児の大変さを共有できる」ということです。
家事や育児の負担は、人数が増えることで想像以上に負荷が増えていきます。これは実際に経験しなければ理解しづらく、経験していない人(特に夫)からは、"一人暮らしの延長線"に見えてしまうことがあります。
家事育児の大変さは、各ステージ(生後0歳、乳児期、幼児期、小学生、中学生など)の変化に伴って、大きく変化します。
一度経験しただけで、"分かったつもり"になることなく、夫婦間の役割分担を定期的に入れ替えることで、お互いの大変さを理解し、尊重し合うことができるようになります。
1-3.お互いの負荷が見えるようになる
続いてのメリットは、「お互いの負荷が見えるようになる」ということです。
家事育児の負担に対する不満は、男女ともに良く耳にすることがあります。例えば、女性からは「うちの夫は何もしない」、男性からは「仕事終わりに皿洗いや洗濯までさせられる」といった不満です。
これら家事育児の負担に対する不満は、お互いの負荷を"定量的に"把握できていないことで起きると考えられます。
役割分担リストによって、お互いの負荷バランスを共有することで、「お互いに大変なんだ」ということが見えるようになります。
お互いの負荷を理解することで、負荷が偏っていれば見直す、負荷のバランスが取れていれば、お互いに尊重する、といったことができるようになります。
1-4.お互いの負荷の変化に素早く対応できる
続いてのメリットとして、「お互いの負荷の変化に素早く対応できる」ということがあります。
前述したとおり、家事育児の負担は各ステージで変化します。また、役割分担リストには出てこない役割(風邪による病院など)が一時的に発生した場合にも、負荷の変化に素早く気付くことができます。
"お互いが"負荷の変化に気付くことで、「なんで料理できてないの」「なんで掃除まだなの」といった、相手のことを一方的に責めるような発言が出にくくなります。
そして、繰り返しできない状態が続く場合には、その原因を考え、負荷ややり方を見直すことにも繋がります。
2.夫婦の家事育児の役割分担の心得
続いて、夫婦の役割分担を進める前に、お互いに共有しておくべき心得を紹介します。
こちらは、役割分担に限らず、夫婦関係を保つために必要な心得となるかもしれませんが、"当たり前"と思わず、一度お互いに共有しておくことをおすすめします(余談ですが、愛は言葉にしないと分からない、なんて言いますからそれと同じです)。
2-1.家事育児は家族のために家族でする
最初にして、最大の心得は、「家事育児は、家族のために家族でする」ということです。
繰り返しになりますが、"家族のために"するのです。家族のためにする行動によって、家族の一員である妻(夫)だけに負担が掛かるということは、本質から外れています。
家計を支える仕事を含めて、家族全員が対等に幸せになれる姿を目指すように心掛けると良いでしょう。
2-2.お互いに責任感と信頼感を持つ
続いての心得は、「お互いに責任感と信頼感を持つ」ということです。
自分の役割においては、自信と誇りを持って取り組み、相手の役割においては、信頼して相手に任せます。
責任感と信頼感はセットになっており、信頼されるから責任感を持って取り組めますし、責任を持って取り組んでいるから信頼することができます。
相手を信頼していなければ、「何故できていないのか」「できたはず」といった責める感情ばかりが出てきますが、相手を信頼していれば、「できない理由があったのかも」「自分とやり方が違うのかも」と思いやりの感情が出てくるようになります。
2-3.役割の不満は速やかに相談する
続いての心得は、「役割の不満は速やかに相談する」ということです。
これは自分の負担に対する不満と、相手のやり方に対する不満の両方です。
明らかに自分の負担の方が大変に感じる場合や、相手のやり方(例えば掃除の仕方や時間など)に不満がある場合、速やかにどうしてほしいのか、冷静に相手に伝えるようにします。
不満を抱えたままでは、相手は努力しているにもかかわらず、"相手への感謝の気持ち"が生まれにくくなるためです。
2-4.どちらもできない時は"やらない選択"をする
意外と忘れがちですが、とても大切な心得として、「どちらもできない時は"やらない選択"をする」ということです。
前述した"家事育児は家族の為にしている"と繋がりますが、どちらもできそうにない場合は、やらなくてもいいと割り切ることで、家族が幸せになれるかもしれません。
例えば、予防接種で病院に行く日には晩御飯の準備を夫にお願いする、夫も仕事でできない場合は、外食や買ったもので済ませる、といったイメージです。
つまり、自分の役割に責任感は持ちつつも、無理に頑張りすぎる必要はない、ということを心掛けると良いでしょう。
2-5.感謝の気持ちと反省の気持ちを忘れない
夫婦の心得になりますが、「感謝の気持ちと反省の気持ちを忘れない」ということも大切です。
こちらは本記事で触れるほどでもありませんが、「お互いにやりたくないこともやっている」ということを忘れず、できなかった時は、「ごめんなさい」、代わりにしてくれた時は、「ありがとう」を伝えるようにすると良いでしょう。
3.夫婦の家事育児の役割分担の方法
続いて、本記事の本題である役割分担の方法について紹介します。
なお、この方法が正解というものではなく、あくまで参考例として読んでいただいたうえで、改良しながら実践していただければ良いと思います。
3-1.必要な家事育児を全てリストアップする
まずはじめに、家族に必要な家事育児(掃除や料理)をリストアップしていきます。
家事や育児をリストアップする際の注意点として、細分化しすぎない、ことをおすすめします。
家事育児の大変さをアピールするために、「傘を直す」「買い物袋をたたむ」というような非常に細かい動作までリストアップしている場合もありますが、ここではあくまで家事育児の分担が目的なので、あまり細分化してリストアップしない方が良いと考えられます。
例えば、「トイレ掃除、風呂掃除、キッチン掃除、床掃除」と細分化せずに、「毎日の掃除、週1の掃除」程度でリストアップします。
なお、様々なサイトでも紹介されている「家事の細分化」が必要ないとする理由について、「【名もなき家事】夫婦の家事分担に細分化は向いていない!その理由とは」にて詳しく紹介していますので、良ければそちらもご覧ください。
3-2.家事育児毎にかかる平均時間と頻度を付ける
続いて、リストアップした家事育児毎にかかる平均時間と頻度を考えます。
こちらもあまり細かい数字は気にせず、「こんなもんよね」程度で十分です。
例えば、「毎日の掃除:15分×週7」、「週1の掃除:30分×週1」のようなイメージです。参考例を後述している為、そちらを参考にして頂ければ幸いです。
3-3.家事育児毎の大切さ(心理的負担)を付ける
続いて、前述した平均時間と頻度は、主に"身体的負担"になりますが、家事育児には、"心理的負担"もあります。
例えば、離乳食などは月齢に合わせて内容が変化し続ける上に、のどに詰まる、アレルギー反応が出る、といった命に関わる責任もある為、想像以上に"心理的負担"が大きくなりがちです。
そういった心理的負担を考慮するために、その家事育児の大切さ(重要さ)を確認しておきます。こちらも細かくする必要はなく、「とても大事」「そこまで大事ではない」のどちらかに分けて家事育児リストに追記する程度で十分と考えられます。
例えば、料理であれば、万が一できていなくても外食や買ったもので済ませられるので、「そこまで大事ではない」ですが、子どもの予防接種は、万が一忘れてしまうと命に関わるかもしれないので「とても大事」となります。
3-4.平均時間と頻度を基に役割分担を決めてみる
続いて、これまでに決めた身体的負担(平均時間と頻度)の家事育児リストを基に、役割分担を決めます。
お互いの好き嫌いを基に分担しても良いですが、可能であれば、お互いの負荷バランス(1週間単位での時間)が、ほぼ対等になるように組むようにすると良いかもしれません。
夫婦のいずれかが育児休業等を取得していない(又は働く時間に差がある)場合は、仕事の時間(通退勤含む)も入れてバランスを取るようにすると良いでしょう。
3-5.役割の心理的負担を考慮して役割分担を見直す
ここまでの流れで、身体的負担はバランスが取れているはずですので、最後に心理的負担を考慮して、役割分担を見直します。
例えば、生後0か月だと2時間おきの授乳があるので、連続して睡眠できない、といった負担があります。
単に時間だけで評価するのではなく、「どう考えても心理的につらそう」と思う分だけ、バランスを調整します。これは感覚的なものですので、夫婦が納得できていれば、それで良いでしょう。
4.夫婦の家事育児の役割分担リストと参考例
最後に、これまで紹介してきた方法で、リストアップした家事育児リストとその分担リストの例を紹介します。
家庭によって事情が異なる為、あくまで参考程度にご利用頂ければ幸いです。
4-1.役割分担の為の家事育児リスト
まずは、家事育児リストとその平均所要時間の例を紹介します。※ [夫婦+0歳児+2歳児] の例です。
なお、あまり細分化しても無駄な労力になるので、毎日することはしっかりとリストアップして、たまにするものはざっくりと決めることを心掛けています。※毎日することは、例え10分でも、1週間で70分になる為です。
※ [ ] 内の数字は、平均時間の例です。
- 【毎日する家事一覧】
- ・軽い掃除、ごみ集め [15分]
- ・朝昼晩ごはん作り [120分]
- ・食器類洗い、片付け [20分]
- ・食料品類の買い物 [60分]
- ・洗濯、乾燥、収納 [30分] ※我が家は、乾燥まで全自動で時短です。
- ・お金を稼ぐ(主に仕事) [600分] ※バランスを取るために家事のひとつに含めます。
- 【週1程度する家事一覧】
- ・細かい掃除(トイレ、風呂含む)[15分]
- ・日用消耗品の補充、買い物 [60分]
- ・布団、シーツなど大物の洗濯、乾燥、戻し [30分]
- ・1週間の献立を考える [60分]
- 【毎日する育児一覧】※2歳(保育園には入っていません)
- ・起床後(外出前)の着替え [5分]
- ・食事、片付け[60分×3回]
- ・飲み物準備、片付け [5分]
- ・トイレ補助 [5分×6回]
- ・オムツ交換 [5分×2回] ※就寝時のみ
- ・絵本など屋内遊び(又は公園など屋外遊び)[60分]
- ・遊び道具の片付け [10分]
- ・お風呂、着替え [30分]
- ・歯磨き [5分]
- ・寝かしつけ [30分]
- 【毎日する育児一覧】※0歳児(生後すぐ)
- ・起床後(外出前)の着替え [5分]
- ・ミルク(ゲップ等含む) [30分×12回]
- ・オムツ交換 [5分×12回]
- ・お風呂、着替え [20分]
- ・寝かしつけ [30分]
- 【健康管理における育児一覧】※主に心理的負担
- ・日々の健康チェック(体温や肌など)
- ・定期健診、予防接種の情報収集、計画
- ・成長に関する情報収集(成長が遅れてないかなど)
- 【季節性、一過性の家事育児一覧】
- ※分担せずに、その時の状況に応じて相談しましょう
- ・扇風機やこたつ等、季節品の設置、片付け
- ・季節に応じた布団、カーペット入れ替え
- ・カーテンや換気扇等、大掃除関係
- ・車のタイヤ交換
- ・子供服や靴などの管理(衣替え収納含む)
- ・急な病気やケガ対応(慢性化する場合は別)
- ・定期健診、予防接種受診
- ・保健所からの往来対応 等々
なお、筆者の家庭では、育児の負荷を共有するためにリストアップして、平均時間まで見えるようにしましたが、毎日する細かい育児の分担までは決めずに、感覚的に交互にやるようにしていました。
理由としては、お互いにそこまでキチっと分担できない(気付いたらしてしまう)ことと、育児に関しては、子どもと関わる時間に偏りが出ないようにしたかったためです。
負担の大きい家事育児をリストアップして、お互いに共有できている為、自然と交互に協力するようになったという方が正しいのかもしれません。
4-2.家事育児の役割分担リスト例(生後初期+夫婦休業)
続いて、先ほど紹介した家事育児リストを基に作成した、生後初期に夫婦で育児休業している場合の家事育児の役割分担例を紹介します。なお、紹介している例は、未就学の上の子がいることを想定しています。
- 【生後初期に夫婦で休業している場合の1日(妻)】
- ○07:30「起床/朝食」
- ○08:00「授乳」
- ○08:30「自由時間」
- ○10:00「授乳」
- ○10:30「上の子と遊ぶ」
- ○11:30「昼食」
- ○12:00~17:30「自由時間(2時間おき授乳)」
- ○17:30「沐浴補助」
- ○18:00「授乳」
- ○18:30「風呂」
- ○19:00「夕食」
- ○20:00「授乳」
- ○20:30「自由時間」
- ○22:00~翌07:30「就寝(2時間おき授乳)」
- 【生後初期に夫婦で休業している場合の1日(夫)】
- ○06:30「起床/掃除・洗濯・朝食準備」
- ○07:30「朝食」
- ○08:00「自由時間」
- ○09:00「買い物」
- ○10:00「上の子と遊ぶ」
- ○11:00「朝食準備」
- ○11:30「昼食/後片付け」
- ○12:30~13:30「上の子と遊ぶ」
- ○16:30「夕食準備」
- ○17:30「沐浴」
- ○18:00「風呂」
- ○19:00「夕食」
- ○20:00「後片付け」
- ○21:00「寝かしつけ」
- ○22:00「就寝」
- 【生後初期+夫婦休業の役割分担のポイント】
- ・役割分担は不必要に細分化しすぎない
- ・授乳以外の家事育児は全て夫が担当する
- ※事前に夫婦の家事育児レベルを合わせておく必要あり
夫婦で育児休業できている場合は、それなりに時間の余裕を持つことができる為、体調不良といった計画外の対応も取りやすいと考えられます。
なお、今回は完全母乳育児を前提に記載していますが、実際にはミルク混合やミルク単体育児の場合も想定されます。その場合は、授乳(ミルク含む)の負担を夫婦で分散することもできるでしょう。
4-3.家事育児の役割分担リスト例(生後初期+片方休業)
前述では、夫婦で育児休業した場合の役割分担を紹介しましたが、実際には、妻だけが産後休業(又は育児休業)している場合も多いと考えられます。
生後初期に夫婦で休業できない場合、妻側に負担が偏りがちですが、できる限りお互いの負荷を分散した例を紹介します。なお、こちらも完全母乳育児かそうでないかによって、夫婦の負担割合が少しずつ異なってくると考えられます。
- 【生後初期に妻のみ休業している場合の1日(妻)】
- ○06:30「起床/掃除・洗濯・朝食準備」
- ○07:30「朝食」
- ○08:00「授乳」
- ○09:00「食材調達(ネット注文等)」
- ○10:00「授乳」
- ○10:30「上の子と遊ぶ」
- ○11:00「昼食準備」
- ○11:30「昼食」
- ○12:00~17:00「自由時間(2時間おき授乳)」
- ○17:00「夕食準備」
- ○18:00「授乳」
- ○18:30「沐浴補助」
- ○19:00「風呂」
- ○19:30「夕食」
- ○20:00「授乳」
- ○20:30「後片付け」
- ○21:00「寝かしつけ」
- ○22:00~翌06:30「就寝(2時間おき授乳)」
- 【生後初期に妻のみ休業している場合の1日(夫)】
- ○06:30「起床/掃除・洗濯・朝食準備」
- ○07:00「朝食」
- ○07:30~18:30「出退勤/仕事」
- ○18:30「沐浴」
- ○19:00「風呂」
- ○19:30「夕食」
- ○20:30「自由時間」
- ○22:30~翌06:30「就寝(2時間おき授乳)」
今回紹介した例では、夫が定時帰りできることを前提としている為、ある程度、負荷を分散することができていますが、残業時間が多くなればなるほど、お互いの負荷が増えると考えられます。
また一見すると自由時間を持てているように見えるかもしれませんが、予防接種や健康管理(日々の異変の有無)に関する情報収集等も必要である為、想像以上に余裕の無い生活となります。
4-4.家事育児の役割分担リスト例(就学前+夫婦フルタイム)
続いて、ある程度授乳が落ち着いた頃(就学前)に夫婦でフルタイム復帰する場合の家事育児の役割分担例を紹介します。
こちらも夫婦の残業時間によって生活スケジュールが大きく異なると考えられますが、本記事ではほぼ定時帰りであることを前提にして記載しています。
なお、兄弟全員が保育園又は幼稚園に入園できていることが前提となっています。また、この場合は夫婦で対等である為、夫婦の役割が入れ替わる場合もあるかもしれません。
- 【就学前に夫婦フルタイム復帰している場合の1日(妻)】
- ○06:00「起床/お弁当・朝食準備」
- ○07:00「朝食」
- ○07:30「保育園送り」
- ○08:00~17:30「出退勤/仕事」
- ○17:30「保育園迎え」
- ○18:00「食材調達/夕食準備」
- ○19:30「夕食」
- ○20:30「後片付け」
- ○21:00「風呂」
- ○21:30「自由時間」
- ○22:30「就寝」
- 【就学前に夫婦フルタイム復帰している場合の1日(夫)】
- ○06:00「起床/掃除・洗濯」
- ○07:00「朝食」
- ○07:30~18:30「出退勤/仕事」
- ○18:30「子どもと風呂」
- ○19:30「夕食」
- ○20:30「後片付け」
- ○21:00「寝かしつけ」
- ○21:30「自由時間」
- ○22:30「就寝」
本来なら夫婦の仕事時間を合わせて、夕食担当と買い出し担当を分けてしまった方が揉め事が少ないと考えられますが、現実的にはなかなか難しい為、このような役割分担としています。
なお、「これは理想的な働き方で現実的ではない」という方もいますが、3歳未満の子どもがいる場合は、"法律によって"短時間勤務や所定外労働制限(定時帰り)を行うことができます。また、残業制限(月24時間まで)であれば、小学校就学前まで行うことができます。
繰り返しますが、"法律によって"定められている為、「会社側に制度がない」「会社側の理解が無い」といったことは関係なく、強制的に制度を利用することができます。
「そんな働き方はできない」とさっさと諦めてしまうことなく、必要に応じて労働基準局を巻き込みながら、制度を活用していくことこそが、夫婦の円滑な役割分担の鍵だと言えるのかもしれません。
なお、このステージからは、保育園の用品準備や送り迎えといった各家庭の状況に応じた家事育児が増えてくる為、その都度、家事育児リストに追記していくように心掛けると良いでしょう。
4-5.家事育児の役割分担リスト例(就学前+片方短時間)
また、「保育標準時間が認められていない」「会社までの距離が遠くて送り迎えの時間が間に合わない」といった理由により、短時間勤務が必要になることもあるでしょう。その場合は、少しだけ片方の家事育児負担が増えることになります。
基本的には利用できる支援(保育園や認定園など)や制度(所定外労働制限等)が変わらない為、夫婦フルタイム勤務と比べても負担が大きく増える(又は減る)ようなことはないかもしれません。
但し、短時間勤務はキャリアへの影響が大きい場合も多く、身体的な負担よりも精神的な負担の方が大きくなりがちです。その為、短時間勤務が必要になった場合は、夫婦で3ヵ月ずつ交互に利用する等、キャリアへの影響を最小限にする工夫を行うことが望ましいでしょう。
4-6.家事育児の役割分担リスト例(就学前+片方専業)
続いて、片方が育児休業を延長、又は専業主婦(夫)となった場合の家事育児の役割分担例を紹介します。
仕事と家庭の両立の負担が軽減される一方で、専業主婦(夫)となった側の関係が閉鎖的となり、お互いの不満がぶつかりやすい関係でもあります。
お互いの努力が見えにくい(理解しにくい)関係でもある為、最も役割分担の可視化(リストアップ)が必要な関係性と言えるかもしれません。
- 【就学前に片方専業の場合の1日(妻)】
- ○06:00「起床/お弁当・朝食準備」
- ○07:00「朝食」
- ○07:30「後片付け・子どもの準備」
- ○08:30「保育園送り」
- ○09:00「食材調達」
- ○11:00「昼食準備」
- ○11:30「昼食」
- ○14:00「保育園迎え/遊び」
- ○18:00「夕食準備」
- ○19:30「夕食」
- ○20:30「後片付け」
- ○21:00「風呂」
- ○21:30「自由時間」
- ○22:30「就寝」
- 【就学前に片方専業の場合の1日(夫)】
- ○06:00「起床/掃除・洗濯」
- ○07:00「朝食」
- ○07:30~18:30「出退勤/仕事」
- ○18:30「子どもと風呂」
- ○19:30「夕食」
- ○20:30「後片付け」
- ○21:00「寝かしつけ」
- ○21:30「自由時間」
- ○22:30「就寝」
- 【生後1年以降の役割分担のポイント】
- ・仕事時間を含めて、家事育児のバランスを再調整する
- ※但し、生活費を稼ぐ以上の労働(出世狙い等)はバランスに含めない
- ・子どもの体調不良等に対応する為、時間の余裕を確保しておく
4-7.家事育児の役割分担リスト例(就学後+夫婦フルタイム)
意外かもしれませんが、就学後(小学校低学年)に夫婦の両方がフルタイムで復帰することは難しく、世の中では「小1の壁」と言われることもあります。
その理由としては、「就学前のように預かってくれる環境が見つからない」ということが挙げられています。特に、小学校低学年では午前中に授業が終わる日が多くなっているのに対して、法律上の育児関連制度が無くなる(帰りが遅くなる)ことから、このような通称が付けられています。
大企業であれば、「小学3年生まで時短勤務が可能」等、法律を上回る制度が用意されている場合も多い為、問題になることは少ないかもしれませんが、そうでない場合は、学童保育等を活用していくことになります。
このステージまで進むと、夫婦の家事育児の役割分担よりも、「子どもの預け先探し」が大きな課題になる、と言えるかもしれません。
4-8.家事育児の役割分担リスト例(就学前+片方専業)
最後に、就学後(小学校低学年)にどちらかが専業主婦(夫)になる場合について紹介します。
就学後は、就学前と比較して、「保育園の送り迎えが無くなる」「お弁当の必要がなくなる」「家で昼食を食べる日がある」といった変化があります。
一人っ子であれば、何らかの負荷が別のところにシフトするだけであり、大きな問題はないかもしれませんが、兄弟がいる場合は、単純に負荷が増えることになります。
夫の出勤を見送ったら、次は就学後の子どもの通学を見送り、幼稚園に送っていかなければいけないことも多く、それから買い物をして帰ったら、すぐに小学生が帰ってきて昼食を食べて片付けたら、幼稚園に迎えに行って、帰ってきたら夕食の準備をして、と慌ただしい日々を送ることもあるでしょう。
専業主婦(夫)だと、学童保育や祖父母に頼りにくいものですが、毎日誰かの為だけに走り回ることは本当に大変なはずです。
また、徐々に子どもの友人関係なども把握しにくくなる為、これまでよりも子どもの様子や変化を注視しておかなければいけない、という面でも心理的な負担が大きくなります。
会社で息抜きの飲み会があるのと同じように、専業主婦(夫)であっても適度に息抜きをしていくことが大切な時期だと言えるかもしれません。
5.家事育児は身体的負担から精神的負担にシフトする
以上で、夫婦の家事育児を分担する方法、メリット、家事育児リスト、役割分担例の紹介は終わりです。
本記事で紹介した通りに、家事育児を分担しない場合においても、どういった家事や育児が存在していて、お互いにどういった悩みを抱えているのか、夫婦で共有するという面において、家事育児をリストアップすることは有効です。
後半部分で少しだけ触れてきましたが、育児の負担は身体的負担から精神的負担にシフトしていくと考えられます。
例えば、「子どもの友人関係は心配ないか」「勉強はついていけているか」「キャリアへの影響はないか」といった心配事が中心となってきます。
精神的な負担は役割分担だけでは解消することができません。まずは、家事育児の役割分担からお互いに協力する姿勢を育み、徐々に精神的負担を共有できるように、夫婦で話し合い、考えることが最も大切だと言えるのかもしれません。