人間力を磨く子育て方法!高めるべき3つの要素
劇的な速度で変化し続ける現代社会において、子どもの「人間力」を磨くことは欠かせません。
多くの知育グッズでは、「空間認識力」や「論理性」「集中力」が養われるといった宣伝文句が使われていますが、「人間力」は様々な能力を"偏りなく"育むことが重要とされています。
本記事では、内閣府が示している「人間力戦略研究会報告書」を基に、「人間力」を構成する3つの要素と、それらを高める子育てについて、紹介しています。
1.人間力とは?
1-1.人間力とは生きるために必要な総合力
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」によると、人間力は以下のように定義されています。
人間力に関する確立された定義は必ずしもないが、本報告では「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義したい。
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」より
つまり、人間力の明確な定義は存在していないことを前提としながら、「社会で生きるために必要な総合力」と定義されています。
実際に子育てを行う上で、例えば「スポーツ選手になって活躍してほしい」「自分の夢を叶えてほしい」「医者になって多くの命を救ってほしい」等、様々な理想像があるかもしれません。
しかし、それらは全て「社会に出て幸せになってほしい」「社会で自立して貢献してほしい」という前提の上で成り立っていると考えられます。
つまり、「人間として生きるための総合力」を高めることは、子ども自身が自立して理想像を目指していく為の土台作りと言えるかもしれません。
1-2.「知的能力的要素」を高める子育てとは?
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」によると、人間力を構成する要素は3つあるとされており、そのひとつめの要素は以下の通りとされています。
① 「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。また、それらの上に応用力として構築される「論理的思考力」、「創造力」などの知的能力的要素
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」より
要するに、「考える力」と捉えることができるでしょう。
基礎的な知識が無ければ、新たな知識を学び始めることもできませんし、それらを十分に理解することもできません。
例えば、論理的な思考力(ロジカルシンキング)は、問題解決時や提案時に必要となりますが、論理的な思考力は、本質的な問題を捉える「洞察力」、相手に合わせた言動を選ぶ「表現力」、物事を組み立てる基礎的な「国語力」等、様々な力が絡み合うことで成立します。
つまり、単におもちゃを順序立てて組み立てるだけで、論理的な思考力が育まれるものではないことが分かります。
さらに具体的な例を挙げれば、論理的にウイルス感染の予防をしたいと考える時、基礎的な学力が無ければ、その予防方法を理解することできません。
例えば、ウイルスの構造、人体に影響を与える原理、人体の構造、治験データ等の収集方法といった医学的知識にとどまらず、大気の流動状態、物質の表面状態といった物理学(流体力学等)に関する幅広い知識を理解する必要があるでしょう。
しかしながら、子育て期においては将来の理想像が決まっていない(変化する)ことを踏まえると、全ての専門的な知識を詰め込むことは適切とは言えません。
そこで、多くの知識を深く詰め込むのではなく、まずは"幅広い知識や学問に触れる機会を増やすこと"で、新たな知識や学問に接することに慣れさせてあげる(抵抗を無くす)ことが、大切だと考えられます。
そして、それらの中で興味を持った知識や学問に対して、「自ら知識を高めようとする意欲」をサポートし、学習意欲を育むことが大切です。
学習意欲さえ身に付けば、子ども自身が自立して知識を深めていくことができます(学習意欲がなければ、親が居なくなった途端に新たな知識を得ることができなくなります)。
上記をまとめると、「知的能力的要素を高める子育て」とは、以下の通りとなります。
- 【考える力を高める子育て】
- ・幅広い知識や学問に触れさせる(理解・習得の必然性はない)
- ・興味を持った知識や学問に対して、自ら理解を深めることができる環境を用意する
- ・学習意欲に応じてサポートするかしないか探りながら自立性を育む
- 【考える力を高めるポイント】
- ・「知識や技能」の習得よりも「意欲や思考力」の強化を優先する
- ・自ら考えて行動する習慣を身に付けさせる
- ・実践と探求による知識の深まりを繰り返し経験させる
「学問を知る入り口づくり」と「知識を高める中身づくり」が大切だと言えそうです。
知的能力的要素を高める為の教材を探している場合は、「意欲」をひきだす、新感覚の通信教育【ワンダーボックス】が特にオススメです。
2020年から新たに開発された教材であり、最新の「地頭力」を高める手法が多く組み込まれています。
他の教育教材が「知識・スキル」の部分に着目しているのに対して、「意欲」をひきだす、新感覚の通信教育【ワンダーボックス】では、「意欲・思考力」の部分に着目しています。
算数や国語といった知識は様々な環境から得ることができますが、好奇心や意欲、思考力は積極的にアプローチしなければうまく得られません。
まだまだ新しい教材ではあるもののグッドデザイン賞やキッズデザイン賞なども受賞する「意欲」をひきだす、新感覚の通信教育【ワンダーボックス】を、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
- 【考える力を高める具体例】
- ・「テレビや絵本で動物を知る→図書館やネットで動物を調べる→動物園で見たり聞いたりして動物を感じる→環境を比較して動物の習慣やストレスを考える→」をサポートする
- ・「夏の公園で遊具の熱さを知る→色や材質による集熱の差を知る→図書館やネットで調べる→実験により再確認する→より深く考える→」をサポートする
- ・「外国人や高齢者の考え方を知る→考え方の背景となる地域や時代の歴史を調べる→背景にある理由を想像する→お互いの理解を深める→」をサポートする
1-3.「社会対人関係力的要素」を高める子育てとは?
続いて、ふたつめの要素は以下の通りとされています。
② 「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力」などの社会・対人関係力的要素
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」より
要するに、「社会と共存する力」と捉えることができるでしょう。
社会で生きていくうえでは、誰かと協力することは欠かせません。
誰かと接することで新たな知識への気付きに繋がり、自らの知識レベルを向上することができます。
さらには、一人では到底達成できない巨大なプロジェクトの一員となることで、自らの能力を最大限に発揮することもできます。
つまり、「社会と共存する力」は、自らの成長を支えるとともに、社会貢献においても欠かせない要素と言えます。
また、「社会と共存する力」を大きく分類すれば、相手の気持ちを考える「他者理解力」と自分の気持ちを伝える「自己理解力」に分けることができます。
「他者理解力」を高めるためには、繰り返し相手の気持ちを言語化(文章化)することが効果的です。
同様に、「自己理解力」を高めるためにも、繰り返し自分の気持ちを言語化(文章化)することが効果的です。
これらをまとめると、「社会対人関係力的要素を高める子育て」とは、以下の通りとなります。
- 【社会と共存する力を高める子育て】
- ・繰り返し相手の気持ちを言語化(文章化)させる
- ・繰り返し自分の気持ちを言語化(文章化)させる
- ・「感情日記」といった日々の出来事に対する感情(相手と自分の感情)を記録する
- 【社会と共存する力を高めるポイント】
- ・相手や自分の気持ちが生まれた背景を強く意識する(何故、そう感じたのかを深堀りする)
- ・他己と自己の存在を強く意識する
- ・多くの価値観を持つ人と触れ合う機会を作る
とにかく、「多くの人や物と接し、その時の感情(相手と自分の感情)をアウトプットする」ということが大切と言えるでしょう。
多くの人や物と接し、その時の感情をアウトプットすることができるオススメの方法は、英語に興味がなくても英会話に参加してみる、ということです。
幼い頃からの英会話教室は、何となく英才教育というイメージが強く、嫌煙しがちかもしれません。
しかし、英語や非言語コミュニケーションを通じて、相手の感情を読み取り、自分を表現することは、「社会と共存する力」を養う上で非常に効果的です。
「ペッピーキッズクラブ」であれば、1歳から教室が用意されている為、ぜひ一度、体験教室を利用してみてはいかがでしょうか。
- 【社会と共存する力を高める具体例】
- ・「誰かと喧嘩をする→喧嘩になった自分の感情を整理する→喧嘩になった相手の感情を整理する→理解できない部分を相手に確認する→お互いの妥協点を見つける→」をサポートする
- ・「自分と異なる価値観の存在を知る→自分の価値観の背景にある育ちや歴史を調べる→相手の価値観の背景にある育ちや歴史を調べる→価値観の差を比較する→お互いの理解を深める→」をサポートする
- ・「様々な意見を集約する→意見の背景にある意図を想像する→意図を分類して整理する→全ての意見の妥協点を見つける→」をサポートする
1-4.「自己制御的要素」を高める子育てとは?
最後に、みっつめの要素は以下の通りとされています。
③ これらの要素を十分に発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らしい生き方や成功を追求する力」などの自己制御的要素
「内閣府:人間力戦略研究会報告書」より
要するに、「自分を制御する力」と捉えることができるでしょう。
さらに、「自分を制御する力」を大きく分類すれば、自らの意志を貫く「自己安定性」と、時代に合わせて変化する「自己変革性」に分けることができます。
これらは特定の行動ではなく、前述した二つの要素を高めていく過程で、成長していくものと考えられます。
自己を安定させるためには、何故そう考えるのかといった「目的意識」や自らの意思を理解する「自己理解力」が必要と考えられ、同様に自己を変革させるためには、新たに知識を得ようとする「学習意欲」や相手の意思を尊重する「他者理解力」が必要と考えられるためです。
これらをまとめると、「自己制御的要素を高める子育て」とは、以下の通りとなります。
- 【自分を制御する力を高める子育て】
- ・目的を明確にしたうえで物事に取り組む習慣を身に付ける
- ・継続的に物事に向き合わせる
- ・挑戦的に変化し続ける
- 【自分を制御する力を高めるポイント】
- ・根気強く物事を続けるように意識する
- ・意欲のあるうちに速やかに行動に移すように意識する
- ・実践と探求による知識の深まりを繰り返し経験させる
とにかく、「目的の把握」と「物事の習慣化」に徹することが大切と言えるでしょう。
前述でも紹介した「ペッピーキッズクラブ」を継続し、新たな英語やコミュニケーションに挑戦し続けることで、育むことができると考えられます。
英会話教室に限らず、様々な習い事や地域活動の中で、多くの人と接することによって、「自分」というものをより深く理解できるようになるでしょう。
- 【自分を制御する力を高める具体例】
- ・「物事を継続する→嫌なことや挫折を経験する→立ち直るように促す→物事をさらに継続する→」をサポートする
- ・「自身の考え方を知る→異なる考え方を知る→考え方を客観的に比較する→自身の考え方で違和感のある部分を知る→自身の考え方を修正する→」をサポートする
- ・「困難や挫折を経験する→あえてサポートせず自分の答えを出させる→自分の答えで実践させる→反省と問題点を知る→もう一度実践させる→」をサポートする
2.基礎的な人間力を育もう
最後に、本記事をここまでご覧になった方は薄々気付いているかもしれませんが、今回挙げた3つの要素は全て日本の教育現場に反映されています(内閣府が示しているので当然と言えば当然ですが)。
必須5科目に限らず、「何の役に立つのか分からない」と揶揄される古典や歴史といった知識は、「知的能力的要素」を高めるための入り口づくりと捉えることができます。
また、学校生活におけるコミュニケーションに限らず、修学旅行や運動会といったひとつひとつのイベント事も、「社会対人関係力的要素」を高めるものです。
同様に、多様な価値観と触れ合いながら、自らの考えをしっかりと表現する自由研究や、周囲に合わせて自らの行動を修正する学校生活は、「自己制御的要素」を高めることに繋がっています。
近年では、「勉強ができないことも個性だ」というような誤った多様性(個性)の尊重(拡大解釈)が拡がり始めたことで、学校教育を軽視する声も少なくありません。
しかし、本来、個性とは今回挙げたような「基礎的な人間力」の上で成り立つものです("型破り"は良いものですが、"形無し"は良いものとは言えません)。
特別な知育グッズや学習塾を活用すること自体を否定するわけではありませんが、そういった端的な特別性や個性を求めるより前に、まずは目の前にある学校教育の重要性を理解し、家庭内においてもその教育の効果を最大限に高めることが、一番大切だと再認識しなければいけないでしょう。