出産や育児の大変アピールはもうやめよう!嫌われる5つの特徴とは?
SNS等では、「出産は交通事故レベル」や「家事育児は24時間365日労働」というような表現がなされ、その大変さが強く主張されています。
その大変さは事実であるものの、過剰な「大変さアピール」によって、「私を気遣え」というような態度をしている妊婦や子育てママをうざいと感じる人は少なくありません。
さらに仕事を終えてから、しっかりと家事や育児に参加しているにも関わらず、毎日のように「大変だ、大変だ」と主張してくる妻に対して、嫌気がさしてしまう夫も少なくないようです。
本記事では、そんな過剰な「大変さアピール」をする人のタイプとその特徴を紹介します(なお、筆者自身は、大変さアピールにはストレス発散や助けを求める効果があると考えており、本記事とは矛盾しますが、否定的な見方はしていません)。
1.出産や育児の大変さアピールとは?
出産や育児の「大変さアピール」には、大きく分類して3つのタイプがあります。
1-1.産後のダメージアピールタイプ
ひとつめの大変さアピールは、「産後ダメージアピール」タイプです。
このタイプは、必要以上に「一般的に産後はこんなに大変だ」と主張しています。
さらに、誰にでも多少のリスク(帝王切開や早産等)はあるものですが、あたかも自分だけ特別なダメージを受けているかのように、周囲に主張していることもあります。
確かに出産は非常に過酷なものであり、身体的にも心理的にもダメージが大きいことは事実です。
その大変さを理解できていない人に対して、しっかりと説明することは大切なことです。
しかし、そもそも"一般的な"出産の大変さやそのリスクは、「妊娠前から分かっていること」です。
妊娠前から分かっていて、それを覚悟のうえで出産することを選んでいるにも関わらず、他人に対して「大変だから気遣え」と主張することに、違和感を感じる人も少なくないでしょう。
1-2.自分の忙しさアピールタイプ
ふたつめの大変さアピールは、「自分の忙しさアピール」タイプです。
このタイプは、必要以上に「あれもこれもしなければいけず、大変だ」と主張しています。
確かに育児は朝から晩まで休まる時間がなく、大変であることは事実です。
しかし、こちらも"一般的な"育児の大変さやそのリスクは、「妊娠前から分かっていること」です。
「朝昼晩なく授乳して、料理や掃除などの家事もしながら、トイレに行く余裕もなくて…」等と主張する方がいますが、そんなことは経験する前から分かっていた(調べられた)はずですし、育児をしていれば誰もが経験することです。
「それを覚悟の上じゃなかったのか?」と違和感を感じる人も少なくありません。
1-3.夫が何もしないアピールタイプ
みっつめの大変さアピールは、「夫が何もしないアピール」タイプです。
このタイプは、「夫が何もしなくても自分が全部している」と主張しています。
そもそも夫婦の役割分担は家庭によって異なりますし、家庭の問題であるにも関わらず、周囲に対してそのようなことを主張しても何の意味もありません。
周囲としては、「それは大変だね~」等と返さなければならず、いちいち共感を求められているようで、面倒くさいと感じる方も少なくないようです。
2.出産や育児の大変さアピールの嫌われる特徴
2-1.出産や育児の大変さだけを発信している
まず、最も嫌われる特徴として、「大変だ~、大変だ~」と大変さだけをアピールしていることが挙げられます。
このタイプの人は、「誰かに褒めてほしい」「誰かに構ってほしい」といった傾向が強いと考えられます。
しかし、そもそも自分が大変で頑張っていることを、誰かに褒めてほしいのであれば、「もう毎日が大変だから褒めてよ~」「私たちがんばってるよね~」と素直に言えばいいはずです。
また、誰かに手伝ってもらったり、負荷を軽くしてほしいのであれば、「誰か助けて~」や「お願いします~」と、素直にお願いすればいいはずです。
そういった素直な表現が苦手で、何とか間接的に自分への注目を集めようとしている「恥ずかしがり屋さん」とも言えるかもしれません。
但し、周囲からすれば大変さだけを主張されても、「大変だから何なの?どうしてほしいの?」といちいち言葉の裏にある要望を推測しなければならず、面倒くさいと感じる人は少なくないようです。
2-2.悲劇のヒロインのように主張している
続いて、まるで自分だけが大変な体験をしているようにアピールしているケースです。
このタイプは、「自分の優秀さを知ってほしい」「自分が能力を発揮できないのは大変さのせいだ」というように、自分の能力不足の言い訳を探している傾向が強いと考えられます。
しかし、そもそも出産や育児をしていなくても、各家庭毎に大変なことは山ほどあります。
また、大変であることが分かっているからこそ、その大変な道をあえて選択していない家庭もあります(例えば、大変な出産や育児を諦める代わりに自分たちの子どもも諦めている等)。
そういった各家庭毎に異なった大変さがあることを理解しようとせず、「自分は特別大変だ」と、悲劇のヒロインのように主張することに対して、嫌気がさしている人は少なくないようです。
2-3.間接的に他人に気遣いを求めている
さらに、そういった大変さをアピールすることで、間接的に他人の気遣いを求めているケースがあります。
このタイプは、「自分の仕事負担を軽減したい」「とにかく仕事を持ちたくない」という傾向が強いと考えられます。
そもそも本当に大変で仕事をこなせないのであれば、素直に「今日は大変だからこれお願い、代わりに○○するから」等とお願いすればいいはずです。
それにも関わらず、ただ単に大変さを主張するだけで「相手に気遣いの裁量を決めさせる」ことで、自分の責任を放棄しようとしているのです。
相手に決めさせることで「相手が代わると言ってくれたから」と、全ての判断を相手のせいにしているのです。
大変さアピールによって、間接的にお願いすることで「自分は望んでいなかったけど、相手が自主的に気遣ってくれた」扱いとなる為、恩返しをする必要が無い、という点で非常に姑息な手段と受け止められることもあります。
2-4.夫の悪口だけを発信している
また、夫が全然家事や育児に協力しない、といった夫の一方的な悪口をアピールしているケースもあります。
このタイプは、「自分には非がない」「自分は完ぺきにこなしている」ということを主張したい傾向があると考えられます。
しかし、そもそも夫が全然家事や育児に協力しないのは夫婦の問題であり、他人からすれば関係のないことです。
多くの家庭が、夫が家事や育児に協力しないことで悩みながら、役割分担表を作って分担してみたり、夫婦で話し合って(喧嘩して)解決してみたりと、様々な努力をしながら向き合っています。
たまに出てしまう愚痴程度なら仕方がないかもしれませんが、口を開けば夫の悪口ばかりを主張していると嫌われる可能性が高くなりそうです。
2-5.自分は完ぺきであるように見せている
夫の悪口を主張すると同時に、自分が全部完ぺきにやっているかのようにアピールするケースもあります。
誰しも完ぺきにこなすことは大変ですが、あたかも自分は完ぺきで夫だけがダメかのように主張する人が居ます。
むしろ自分自身の自信の無さから夫を否定し、自分の地位を維持しようとしているのかもしれません。
例え、完ぺきにこなせていたとしても、それを主張することで誰かにマウントを取ろうとすれば、嫌われる可能性が高くなりそうです。
3.大変さアピールをする人が周囲にいる場合の対処法
続いて、自分自身が大変さピールをしているのではなく、周囲に大変さアピールをする人がいる場合の対処法について紹介します。
3-1.そもそも関わらないようにする
一番確実な方法は、そもそも関わらないようにすることです。
関係を切ってしまっても問題ないような友人や同僚である場合は、少しずつ関係を遠ざけていくだけで解決することができます。
相手から何か言われた場合は、「大変そうだからあまり誘わないようにしていた」「最近忙しくてあまり時間が取れない」といったことを伝えれば良いでしょう。
勘の鋭い相手であれば、大変さアピールの問題に気付き、大変さアピールを辞めてくれる可能性もあるかもしれません。
3-2.大変さアピールをする隙を与えない
ただ、実際のところは、「大変さアピール以外は良い友人だから」「職場の同僚で嫌でも関わるしかないから」「PTAで同じ役員だから」といった様々な理由により、簡単に関係を切ることができないことも少なくありません。
そういった場合は、大変さアピールをする隙を与えないことが大切です。
相手に発言の隙を与えないように、「○○さんこの仕事よろしく。この後すぐに会議だからまたね」等とその場を後にすると良いでしょう。
PTAや会議等で相手が発言する機会がどうしてもある場合は、相手が話を始める前に「みんなそれぞれに家庭や仕事の大変さがあるけど~…」というように、大変さの部分を先に主張しておくようにしましょう。
「みんな大変だから大変さの話はいらないよ!」と先手を打ってしまうことで、相手の大変さアピールを抑える効果が期待できます。
3-3.とりあえず共感すれば平和に終わる
また、直接的な利害関係(業務関係など)が無い場合は、とりあえず共感だけしておく、という方法もあります。
大変さアピールをされても、「本当に大変そうだよね~」「毎日がんばってるね~」等と返しておけば、大体の大変さアピールさんは満足して去っていきます。
大変さアピールをする人は、自尊心が不安定な人が多く、「そんなことはみんなやってる」「あなたの大変さに興味ない」というような反論をすると、ほぼ間違いなく争いに発展します。
利害関係の無い人とそのような争いをしても、単なる時間の無駄にしかならず、何のメリットもありません。場合によっては、「あの人と争っているなんて程度の低い人…」と、あなたのイメージダウンに繋がる可能性まであります。
そういった面倒なことになりそうな相手である場合は、とにかく「そうだよね~」と共感だけして、何も手伝わないようにすることが最善の方法です。
但し、直接的な利害関係がある場合は、「○○さん(相手)は大変そうだから、○○さん(自分)よろしくね」と、自分に業務が降りかかってくる可能性がある為、この方法は使えないことに注意しましょう。
3-4.耐えられない場合は客観的に指摘する
直接的な利害関係(業務関係など)がある場合は、直接指摘して大変さアピールを辞めさせることも大切になってきます。
その際に、「あなたの大変さアピールは聞き飽きた!」「みんな大変でも役割をこなしている!」というような自分の意見としてぶつけてはいけません。
できる限り、「大変さアピールを嫌だと感じている人がいるよ」「できない時は素直に手伝ってと言った方が好感を持てるみたいだよ」というような誰かの意見としてぶつけるようにしましょう。
こうすることで、「あなたvs大変さアピールさん」の構図ではなく、「大多数vs大変さアピールさん」の構図にすることができます。
大変さアピールさんは、大多数の承認や助けを求めている傾向が強い為、「大多数に嫌われる!?」という懸念を与えることが一番効果的なのです。
どうしても大変さアピールに耐えられない場合は、大多数の意見として、客観的に指摘してみてはいかがでしょうか。
4.大変さアピールは適切な相談窓口でしよう
最後に、出産や育児が大変であり、ついつい自分も愚痴を言いたくなることがあるかもしれません。
愚痴を言うことでストレス発散にも繋がる為、全て我慢する必要はないでしょう。
しかし、誰かの愚痴やネガティブな発言を聞くことは、聞く相手にとっては嬉しいことではありません。
また、人それぞれに大変だと感じることは異なりますし、自分とは異なる大変さを抱えているものです。
どんなに気の知れた相手でも、愚痴やネガティブな表現はほどほどにし、ポジティブな表現に改めてみることが大切だと言えそうです。
これを機に、自分自身の日常の態度が、大変さアピールになっていないか、見直してみてはいかがでしょうか。
なお、育児の大変さがどうしても我慢できなくなった場合は、公的な相談窓口「こころの健康相談統一ダイヤル」に相談してみると良いかもしれません。