乳幼児と旅行する際の必需品と注意点【リスト有】
初めて乳幼児と旅行をする際には、「何を準備すれば良いのか」「どういったことに注意すれば良いのか」と、色々と不安があると思います。
そこで、本記事では、年間何十日も乳幼児と旅行をしている筆者の経験を基に、旅の必需品と注意点について、紹介します。
1.乳幼児と旅行する際の注意点
はじめに、乳幼児と旅行する際に意識しておくべき注意点について、紹介します。
1-1.旅行可否はかかりつけ医と相談する
まず大前提として、生後数ヵ月頃から旅行を開始する場合、かかりつけ医に相談することをオススメします。
さすがに、生後1~2ヵ月頃から旅行を開始する方は少ないと思いますが、産後早々に旅行を計画したい旅好きの夫婦の場合は、かかりつけ医に相談した方が良いと考えられます。
特に、生後数ヵ月間は、出産を終えた母親の身体的な負担も大きく、免疫も大幅に低下していると言われています。
季節にもよりますが、冬場であればインフルエンザやノロウイルス、夏場であれば食中毒などのリスクがあります。
単に病気になりやすいだけでなく、重症化するリスクも高まると考えられる為、極力かかりつけ医に相談し、許可を貰ってから、旅行を開始するようにすると良いでしょう。
1-2.予防接種前の感染症には十分に注意する
また、例え医師の許可が得られたとしても、乳幼児 (特に乳児)と旅行する際には、感染症に十分注意する必要があります。
特に、定期 (又は任意)予防接種対象となっている麻疹・風疹などは、人から人への飛沫感染が主な感染経路となっていますが、予防接種を受けられるのは、生後6ヵ月以降です。
その他、日本脳炎などは、豚から蚊、さらに蚊から人への感染が、主な感染経路とされていますが、予防接種を受けられるのは、早くても1歳を過ぎてからの場合が多くなっています (但し、病院等によっては、6ヵ月頃から受けられる場合もあるようです)。
このように、保健所などの指導通りに予防接種を受けていたとしても、重大な感染症のリスクが完全に無くなっているわけではないことを覚えておかなければいけません。
いずれにしても、予防接種を受けられる月齢 (年齢)に達していない状態で (又は予防接種を受けていない状態で)、旅行に出掛ける場合は、感染予防に十分に注意しましょう。
1-3.人混みの思わぬ危険には十分に注意する
続いて、乳幼児を連れて人混みとなるような観光地に出かける場合は、人混みの思わぬ危険についても把握しておきましょう。
お祭りシーズンであれば、観光先のお祭りを目当てに旅行する場合もあるかと思います。しかし、お祭り等の人混みには、予期せぬ危険がいくつもあります。
例えば、抱っこひもで抱っこして歩く場合、「串焼きの串が刺さる」「人混みで圧迫されてしまう」「使えるトイレがない」といったことがあります。
では、ベビーカーに乗せて歩けば良いか、と言えばそうでもありません。そもそもお祭りでベビーカーを押して歩くことが難しいだけでなく、ベビーカーにもいくつか予期せぬ危険があります。
例えば、「足元で見えずにぶつかられる」「小さい子どもの持つ串焼きの串が刺さる」「大人の落とした食べ物がかかってしまう」といったことがあります。
そして、これらの危険はお祭りに限らず、通常の人混みでも同じような危険性があります。例えば、雨天時にさしている傘の先端が、抱っこしている赤ちゃんに刺さってしまう、といったことが考えられます。
以下に、筆者自身が旅行をしている際に、「危ない」と感じた場面を紹介していますので、参考にして頂ければ幸いです。
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【人混みの思わぬ危険性】
- ・雨天時にすれ違う人の傘との接触
- ・つまづき転倒 (抱っこ時)
- ・接触者増加による感染症リスク増加
- ・圧迫や衝突 (故意や不注意による)
- ・目を離した隙に誘拐 (ベビーカー時)
なお、絶対におんぶはしないことをオススメします。考えられないかもしれませんが、善意で後ろの赤ちゃんに、こそっとお菓子を食べさせようとするおばあちゃんや、いたずらで抱っこひものロックを外そうとする人などがいます。
また、人混みでは思うように進めない苛立ちから、わざと衝突してきたり、ベビーカーを蹴飛ばしたり、といった方もいます。
実際には、善意を持って温かく接してくれる人の方が多いですが、「こういった非常識な人がいるかもしれない」ということを知っておくことが大切です。
そして、一番良いのは「乳幼児を連れて人混みに行かない」、どうしても行きたいなら「抱っこで細心の注意を払う」ようにしましょう。
1-4.宿泊先と医療機関の距離は事前に把握する
また、乳幼児を連れて旅行をする場合は、宿泊先から医療機関までの距離を事前に把握しておきましょう。
医療機関との位置関係を把握しておけば、万が一の体調不良時に、どの病院を利用するのか、速やかに判断することができます。
休日 (土日祝)に旅行しようとしている場合は、休日夜間の診療体制についても調べておくと良いでしょう。
特に、人混みを避けて閑散とした地域に旅行する場合、近くに救急医療体制が無いこともあります (特に島などは要注意)。
「〇〇市 休日夜間 診療」などで検索すれば、その地域の休日当番医を調べることができます。出てきた医療機関と宿泊先の距離を確認しておくようにしましょう (あまりにも遠い場合は、旅先の再検討を)。
1-5.宿泊先のアメニティや設備は十分に検討する
続いて、乳幼児を連れて旅行する場合は、宿泊先のアメニティや設備についても十分に検討しておきましょう。
例えば、宿泊先のボディソープやシャンプーで赤ちゃんの身体を洗えそうか、ユニットバスで入浴できそうか、ベッドから落ちずに添い寝できそうか、といったことです。
赤ちゃんを連れて外食 (ホテル食)する場合は、乳幼児用の椅子があるか、食器類は大人用でも使えるか、といったことも考えておいた方が良いかもしれません。
そういった場面に備える為の備品類については、後述にて紹介しますが、各家庭に合った日常生活をもう一度、振り返って考えてみると良いでしょう。
参考までに、筆者の家庭では、寝相の悪い幼児がベッドから落ちないように、ベッドの片側を壁に付けられるホテルか(電話で確認)、敷布団の和室を選ぶようにしています。
1-6.長距離移動の場合は時間に十分な余裕を持つ
そして、乳幼児を連れて長距離移動をする場合は、時間に十分な余裕を持っておくこともオススメします。
車移動でも公共交通機関を使った移動でも、1~2時間に1回の休憩を必ず用意するようにしましょう。
普段と異なった生活リズムになると、乳幼児の生活リズムも崩れやすいものです。予期せぬタイミングにうんちをしたり、思うように授乳や離乳食を取れなかったりします。
実際に休憩が必要かどうかは、随時判断すれば問題ないと考えられますが、移動を計画する時点では、「全て休憩しても余裕のあるスケジュール」とするように心掛けると良いでしょう。
何よりも、子どもに気遣いながら移動していると、大人自身も夫婦二人の時より疲れやすくなります。繰り返しになりますが、夫婦二人の時よりも余裕のある計画を心掛けましょう。
1-7.旅の計画にも十分な余裕を持つ
前述と同様に、旅の計画 (観光先、観光時間など)にも十分な余裕を持つようにしましょう。
慣れない場所では、「オムツ交換の場所を探す」「授乳できそうな場所を探す」といったことで、あっという間に30分~1時間が経過してしまうこともあります。
乳幼児と時間軸が合わなければ、「ちょうど食事のタイミングでぐずりだした」「疲れて思うように歩いてくれない」といったことも多々あります。
車移動が中心の場合は、移動時間に休憩したり、授乳や食事を済ませることもできますが、公共交通機関による移動が中心の場合は、1日中動きっぱなしになることも少なくありません。
昼寝ができなかったり、食事のタイミングがずれることで、子どもがぐずりだしてしまうと、楽しい旅行も楽しくなくなってしまいます。
さらに、旅の疲れや空腹が重なってしまうと、親自身もイライラしてしまい、どんどん旅行が楽しくなくなってしまうことが考えられます。
せっかくの旅先でもったいないように感じるかもしれませんが、1日あたり数時間の休憩時間を確保できるように、これまでよりも余裕を持った観光計画を立てると良いでしょう。
参考までに、筆者の家庭では、様々なスタイルを試した結果、「移動は車中心、食事の時間は守る、昼寝時間を確保する (抱っこひもorベビーカー常備)」という形になりました。
2.乳幼児と旅行する際の必需品・チェックリスト
続いて、乳幼児と旅行する際の必需品とチェックリストについて、紹介します。
2-1.赤ちゃんの為に必要な旅行の必需品・チェックリスト
まずはじめに、赤ちゃんの為に必要な必需品について、紹介します。但し、月齢 (年齢)によっては必要ないものも含まれている可能性があります。
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【赤ちゃんの為に必要な旅行の必需品リスト】
- □授乳用品 (母乳の場合でも、授乳ケープがあると便利です)
- □携帯ミルク・哺乳瓶 (母乳の場合でも、授乳できない時に便利です)
- □肌着・着替え類 (汚れた際や体温調節の為に余分に数枚あると便利です)
- □パジャマ類 (乳幼児用のものはない場合が多いです)
- □小児用歯ブラシ (ホテルになかったり、合わない場合もあります)
- □携帯ベビーチェア (食事の際にあると便利です)
- □抱っこひも・ベビーカー (タクシー利用予定ならトラベルシステムが便利です)
- □飲料水・軽いお菓子類 (少しぐずった時に便利です)
- □オムツ・おしりふき・処理袋 (最悪はコンビニでも買えることが多いです)
- □体温計・常備薬 (子どもは体調が崩れたり肌荒れしたりしやすいです)
- □健康保険証・母子手帳・小児医療費受給資格者証
- □ハンカチ・タオル (赤ちゃん用にあると衛生的に安心です)
- □洗剤類 (走り回る幼児がいる場合、転んで泥汚れ等が付いた際に一次処置ができます)
- □赤ちゃん用の入浴洗剤 (ホテルのものは洗浄力が高い為、肌が弱い場合はあると便利です)
- □雨天対策 (ベビーカーを使用予定の方は、レインカバー等が便利です)
- □使い捨て食器類 (外食時に幼児用のものがない場合に、小さいフォーク等があると便利です)
- □日焼け止め・虫よけ (季節や外出先によっては、あると便利です)
- □移動時の観賞用DVD等 (車で長距離移動の場合は、あると便利です)
消耗品類は足りなければ、薬局やコンビニで買える場合も多いですが、土地勘のない場所で薬局やコンビニを探していると、貴重な時間が奪われてしまうことも意外と多いものです。
宿泊先に選びやすい都市部は、薬局なども少なく (少し郊外に出た場所が多い)、買い出しに時間を取られることもあります。
使う可能性が十分にあり、コンビニで買えない可能性があるものに関しては、事前に携帯しておくと便利かもしれません。
2-2.大人の為に必要な旅行の必需品・チェックリスト
続いて、大人の為に必要な必需品について、紹介します。こちらも、家庭によっては不要なものも含まれているかもしれません。
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【大人の為に必要な旅行の必需品リスト】
- □健康保険証・お薬手帳
- □旅のしおり (ガイドブック等)
- □携帯電話・携帯充電器
- □予備のコンタクト・保存液 (必要な方のみ)
- □肌着・着替え類 (長期連泊で洗濯する場合は、下着類が1セット多めにあると便利です)
- □髭剃り・ジェル (ホテルのものは肌を傷つける可能性が高いです)
- □化粧品類 (入浴後の化粧水等も忘れずに)
- □生理用品 (最悪はコンビニでも買える可能性が高い為、最小限でも)
- □手指消毒液 (車やカバンに携帯すると、使いやすくて便利です)
- □免許証・自動車保険証 (夫婦で運転を交代する場合は、保険内容を再確認しておくと吉)
- □財布 (万が一の紛失に備えて、財布を複数分散しておくと便利です)
- □衛生用品・常備薬 (絆創膏くらいは財布に入れておくと便利です)
- □目薬・のど飴 (必須ではないですが、ホテルは乾燥しやすい為、あると便利です)
- □雨天対策 (幼児と共用する場合は、大きめの傘か複数所持が便利です)
- □カメラ (旅の思い出を高い画質で残したい場合)
- □チケット類 (事前にチケット手配している場合のみ)
- □腕時計 (乳幼児を連れているとスマホで時間を確認するのは少し大変)
- □観光用カバン (乳幼児の備品を入れて移動する際に、旅行用とは別にあると便利です)
2-3.準備していて役立った便利グッズ
続いて、筆者の家庭で準備していて役立った便利グッズについて、その理由と共に紹介します。
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【役立った便利グッズ】
- □トラベル用洗剤 (トラベル用の小さいものがあります)
- →旅行では、子どもも少し良い服を着ている場合が多いですが、転んだ際の泥汚れ等を放置すると落ちなくなって悲しい思いをすることがあります。洗剤で汚れた部分だけ一次処置しておくと、帰宅後の洗濯できれいに落ちやすいです。
- □携帯ミルク (そのまま飲めるものがあります)
- →基本的に完全母乳でも、授乳できない環境が続いてしまった際に、携帯ミルクをあげることができて便利です。着物などを着て観光したい場合は必須かもしれません。
- □携帯用ベビーチェア
- →ファミリーレストラン等を利用する場合は必要ないかもしれませんが、そうでない場合は、あると便利です。
- □軽食・お菓子類
- →十分な計画を立てていない場合、食事の時間がズレてお腹が空くことがあります。お腹が空くとイライラしやすくなる為、お腹を空かさない程度の軽食を持ち歩くと便利です。
3.乳幼児との旅行は短距離・短期間から!
以上で、乳幼児と旅行する際の注意点と必需品リストの紹介は終わりです。
今回紹介した必需品は、筆者の家庭 (乳児+幼児)で旅行を繰り返していく中で、ひとつひとつ足したり、除いたりしていったものです。
その為、実際に乳幼児と一緒に旅行してみると、各家庭毎に「必要なもの」と「必要ないもの」が出てくると考えられます。
乳幼児との旅行は、思った以上に荷物も多くなりやすく、旅先で疲れやすいといったデメリットがあります。
旅で疲れた身体で、授乳や離乳食、入浴介助などをしなければならず、想像以上に疲労感が抜けにくいものです。。
その為、まずは日帰り旅行から始めて、近場で1泊2日旅行…、と少しずつ距離や期間を延ばしていくと良いかもしれません。
もしも最初の旅行から長距離&長期間となってしまうのであれば、あまり計画時点で張り切りすぎず、「少しくらいできないことがあっても仕方ない」という余裕を持った旅行にし、初めて家族旅行を楽しむことに重点を置くと良いかもしれません。
また、初めての旅行では、「子ども連れの旅行はもう無理だ」と思うこともありますが、うまくいかなかった部分を一つ一つ改善していくことで、子ども連れでも楽しめる旅行スタイルを見つけることができるはずです。
筆者の家庭でも、初めの頃は「子ども連れでは楽しみにくい」と感じていましたが、諦めずに改善していくことで、乳幼児二人を連れて、九州一周旅行や京都で着物を着て観光する、といったこともできるようになりました。
ぜひ、家族全員が楽しめる旅行スタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。