【実体験レビュー】ベビービョルンの抱っこ紐「ONE KAI Air」を3年間使ってみた

 筆者の家庭では、ある理由からベビーカーを持たず、抱っこ紐(ベビーキャリー)だけで生活しています。

 「家で家事をする時」、「スーパーで買い物を楽しむ時」、「旅行に出かける時」、全て抱っこ紐(ベビーキャリー)だけで過ごしてきた筆者だからこそ分かる、ベビービョルンの抱っこ紐「ONE KAI Air」の良い点や注意点について、詳しく紹介します。

1.抱っこ紐(ベビーキャリー)を選んだ理由

 まずは、筆者の家庭がベビーカーではなく、抱っこ紐(ベビーキャリー)を選んだ理由から紹介します。

 既に抱っこ紐(ベビーキャリー)の購入を決めている方は、読み飛ばして頂いて問題ありません。

 ベビーカーか抱っこ紐か、どちらを購入するか悩んでいる方は、参考にして頂ければ幸いです。

1-1.身動きが取りやすい

 まず第一に、抱っこ紐はベビーカーよりも身動きが取りやすい、というメリットがあります。

 人通りの多い街中でベビーカーを押していると、人とすれ違う際にベビーカーが干渉し、相手に避けてもらうことが多くなります。

 また、スーパーでは、品物を選ぶ際に、ベビーカーを横に置くことが多く、そのベビーカーが商品棚や通路をふさいでしまうことも少なくありません。

 公共交通機関では、ベビーカーを折りたたんで乗車することが推奨されており、片手で赤ちゃんを抱っこしながら、もう片方の手でベビーカーを持っておかなければいけないことも少なくありません。

 一人で出掛けている場合は、つり革を持てない、ベビーカーが人にぶつかる、といった危険な状態にもなりやすいです。

 さらに、ベビーカーを押していると、階段しかない場合に非常に不便です。

 片手で赤ちゃんを抱っこしながら、もう片方の手でベビーカーを持って階段をあがることになり、非常に危険な状態となります。

 ベビーカーの身動きの取りづらさを考えると、「人混み=迷惑で使えない」「家の中=ほぼ使わない」「公園=ほぼ使わない」と、ほとんど使う機会が無いことが分かります。

 しかし、抱っこ紐(ベビーキャリー)であれば、どこに行っても同じスタイルで移動することができ、身動きが非常に取りやすいのです。

1-2.事故の発生確率が比較的に低い

 また、ベビーカーを押していると、いつも避けて通ってくれる人ばかりではありません。

 故意か不注意かは分かりませんが、ベビーカーに衝突してくるような非常識な方もいます。

 そういった衝突事故に限らず、軽い坂道や電車内で手を放してしまうと、勝手に走り出したり、転倒するリスクもあります。

 抱っこ紐(ベビーキャリー)にも、転倒や落下のリスクはありますが、両手がふさがっていない分、咄嗟の対応もしやすく、事故に至る可能性を比較的に低く抑えることができます。

1-3.子どもの安心感が大きい

 また、移動時にしか使用しないベビーカーと比べて、抱っこ紐(ベビーキャリー)はいつもの抱っこに近く、子どもの安心感が大きくなります。

 そういった安心感からか、多少つらいことがあっても、すぐに泣きださず、しばらくの間、我慢してくれることが多くなります。

 個人差はありますが、ベビーカーでは、少しの嫌なことでも泣き出してしまい、そのたびに抱っこに切り替えなければならない、といった可能性も考えられます。

1-4.家でも外でも最大限に活用できる

 また、抱っこ紐(ベビーキャリー)は、家でも外でも活用することができます。

 特に新生児から1歳頃までは、家事や日常生活の間に赤ちゃんが泣き出してしまい、行動を中断しなければならない場面が多くなります。

 一度中断して抱っこすると、再び寝るまでずっと抱っこしておかなければならないことも多く、思うように家事や日常生活が進まないことも少なくありません。

 抱っこ紐(ベビーキャリー)があれば、泣き出しても抱っこ紐に乗せて、家事や日常生活を進めることができる為、非常に便利です。

 主に移動時しか使わないベビーカーに数万円も払うよりも、常に活用できる抱っこ紐(ベビーキャリー)を少し良いものにした方が、圧倒的にコスパは高いと考えられます。

1-5.子どもの自立心を育むことができる

 さらに、常に抱っこ紐(ベビーキャリー)で移動していると、歩くペースで移動することが当たり前になり、子どもの自立心を育むことにも繋がります。

 ベビーカーに乗る習慣が無いことで、自分で歩けるようになってからは、自分で歩いてくれることが多くなります。

 もちろん個人差はあるかもしれませんが、筆者の家庭では、数時間の買い物でも、ずっと一緒に歩いて移動してくれるようになっています。

 疲れるとすぐにベビーカーに乗る、という習慣がついてしまうと、運動不足や運動能力の低下、といったデメリットも考えられます。

1-6.ベビーカーは無料の貸し出しが多い

 また、ベビーカーは、多くの公共機関(駅など)や商業施設(スーパー等)、大型公園などでは無料貸し出しされている場合が多く、本当に必要な場所では、無料で利用することができます。

 混雑時には借りられない可能性もありますが、そもそも混雑時にベビーカーを押して移動することは困難である為、あまり問題になることはありません。

 主に使用する場所で無料貸し出しがあるのであれば、わざわざ高いお金を出してベビーカーを買うより、少し良い抱っこ紐を買った方が良いと考えられます。

 もちろん保管場所やお金が余っているのであれば、どちらも購入すれば良いのですが…。

2.抱っこ紐(ベビーキャリー)に必要な機能

 続いて、抱っこ紐(ベビーキャリー)を選ぶ際に欠かせない機能について紹介します。

2-1.安全性・耐久性に優れていること

 当たり前のことですが、安全性・耐久性に優れていることが最優先です。

 大切な命を預けるものである為、どれだけ優れた機能を持っていたとしても、安全性に問題がある商品は絶対に使えません。

 また、販売時点での安全性だけでなく、少なくとも3~5年間は安全性を維持できる耐久性も必要です(二人目、三人目にも使用できるように)。

 今回紹介しているベビービョルンでは、使用する材料を選定する時点から、非常に厳しい検査が継続的に行われています。

 自社での検査だけでなく、国際的な検査機関によるテストも実施されている為、非常に安心感があります。

 抱っこひも安全協議会の正会員として参加していますし、製品の全ての開発過程で、小児科医等の専門家の意見も取り入れているようです(HPより)。

 何よりも「ONE KAI Air」を実際に試着してみると、安全に関わる部品の頑丈さと生地の強さをひと目で実感することができます。

 もちろん安全性を認証する「SG認証」、全ての布地に有害物質やアレルゲン性物質が含まれていないことを示す「エコテックス規格100クラス1」にも準拠しています。


2-2.季節を問わず使い続けやすいこと

 また、抱っこ紐は季節を問わず、真夏でも真冬でも同じように使用できる必要があります。

 特に赤ちゃんは放熱が苦手とされている為、抱っこ紐の放熱性や放湿性は、非常に重要な機能となります。

 今回紹介しているベビービョルンの「ONE KAI Air」は、赤ちゃんに触れる全ての生地がメッシュ生地で作られており、非常に通気性が優れています。

 他のメーカでもメッシュ生地の抱っこ紐は開発されていますが、生地の一部に通常の生地(綿など)が使われていることが多くなっています。

 繰り返しになりますが、「ONE KAI Air」は、赤ちゃんに触れる全ての生地がメッシュ生地となっています。

 特に暑くなりやすい赤ちゃんと大人に挟まれる身体の部分も、少し厚いメッシュ生地でできている為、適度に空間ができ、非常に高い通気性を保っています。

 なお、真冬は別売りの抱っこ紐カバーや厚着をすることで対応できる為、1年間通しての使用を想定している方は、間違いなくメッシュ生地がオススメです。


2-3.長時間の使用でも疲れにくいこと

 また、移動時だけでなく家の中でも使用される抱っこ紐は、長時間の使用でも疲れにくい構造であることが大切です。

 安い商品の中には、通常の抱っこと変わらないくらい腕や肩に負担がかかるものもあります。

 そのような商品であれば、あっても無くても変わらない状態となってしまいます。

 もちろん今回紹介しているベビービョルンの「ONE KAI Air」は、しっかりと赤ちゃんを身体側に引き寄せることができる立体構造となっており、身体全体の負担を軽減してくれます。

 また、大きな腰ベルトで支える構造となっている為、肩ベルトを抜いても腰ベルトだけでも支えることができます(正しい使い方ではありません)。


2-4.手入れがしやすく衛生面に優れていること

 さらに、抱っこ紐(ベビーキャリー)は、1年間通して使用するものである為、手入れがしやすいことも大切です。

 赤ちゃんのよだれがついてしまうだけでなく、外気の汚れや花粉が付着したままでは、衛生的に良くありません。

 洗濯することによって、生地がヨレヨレになってしまったり、縮んでしまうのでは、結果的に長期間使用することができなくなってしまいます。

 もちろん今回紹介しているベビービョルンの「ONE KAI Air」は、洗濯機(洗濯ネット要)の使用が可能である為、衛生的にも心配ありません。

 実際に、筆者の家庭では何度も洗濯を繰り返していますが、ヨレヨレになることも縮んでしまうこともありません。


2-5.着脱しやすく一人で着脱できること

 また、抱っこ紐(ベビーキャリー)は使用頻度が非常に高い為、一人で容易に着脱できることも大切です。

 一般的には、赤ちゃんを抱っこ紐に乗せてから、大人の背中側のバックルを付けることが多くなっています。

 しかし、このような構造では、ちょうどいい高さのソファやテーブルが無ければ装着しにくいですし、赤ちゃんを抱っこ紐にぶら下げた状態で、両手を使ってバックルを付けなければならず、装着の負担が非常に大きくなります。

 家の中では泣き始めてから使用するケースも多く、装着に少しでも手間がかかるとイライラしてしまい、使用頻度が下がり、十分に活用できなくなってしまう可能性もあります。

 それに対して、ベビービョルン「ONE KAI Air」は、身体の前面部にバックルが付いている為、赤ちゃんを片手で抱っこしたまま、装着することができます。

 首が座る前の赤ちゃんでも片手で支えながら装着することができる為、他のメーカ製品よりも着脱時の安全性が高く、使用感も良くなっています。

 片手で取り外しできるこの構造は、ベビービョルンの独自開発による特許が取得されている(HPより)為、ベビービョルンだけのメリットと言えます。

 慣れないうちは、後ろのバックルが取り外しできないことに違和感を感じますが、後ろのバックルが取り外せないことで、後ろからバックルを外される、といった悪質ないたずらを受ける可能性もありません(実際にあったいたずらです)。

 装着に慣れてくれば、チャイルドシートから降ろし、片手で赤ちゃんを抱っこしたまま、車のドアを閉めて、歩きながら装着することもできます。


2-6.おんぶの切り替えを一人で安全にできること

 基本的には、抱っこで移動する機会が多いと考えられますが、急遽おんぶに切り替えたいと感じる場面もあります。

 例えば、急な階段を上り下りしたり、下り坂を降りる際には、「足元が見えない」「前向き転倒」といったリスクから、抱っこでは少し不安があります。

 いちいち赤ちゃんを下ろしておんぶに切り替えたり、一旦どこかに置いたりする必要がある抱っこ紐では手間がかかり、大変です。

 しかし、ベビービョルンは、抱っこしたまま一人でおんぶに切り替えることができます。

 どこかに座ったり、誰かに支えてもらう必要もありません。

 慣れるまでは少し難しいですが、少し慣れてくれば立ったままでもサッサッサと、おんぶと抱っこの切り替えができるようになります。


3.全ての機能を満たすのはベビービョルン「ONE KAI Air」だけ

 まるでベビービョルンの回し者のようになってしまいましたが、筆者が求めていた機能を全て満たしていたのは、ベビービョルンの「ONE KAI Air」だけでした。

 何よりも独自開発された片手バックルによる装着(特許)が魅力的で、これに慣れてしまうと、他の抱っこ紐には戻れません。

4.「ONE KAI Air」を3年間毎日使ってみた感想・レビュー

 なお、、ここまで紹介した内容は、あくまで購入前に確認できる抱っこ紐の機能です。

 実際には、「ホームページでは良いことばかり書かれているけど、本当なのかな…」という不安もあるはずです。

 そこで、そういった気になる点(不安)を解消する為に、筆者が実際に3年間使ってみた感想を紹介します。

4-1.1日中ずっと付けていても疲れにくい

 まず第一に、ベビービョルン「ONE KAI Air」は、1日中ずっと付けていても疲れにくいです。

 筆者の家庭では、年に何回も旅行に出かけますが、旅行中ずっと抱っこ紐に乗せて移動しています。

 慣れない土地を1日中歩き回るだけでも疲れてしまう夫婦なので、「全く疲れない」とは言えませんが、抱っこ紐を付けていて特段疲れる、ということはありません。

 また、日々の買い物は妻が歩いて行っていますが、その際はずっと抱っこ紐に乗せて移動しています。

 自分でしっかり歩き始める1歳過ぎまでは、ずっと抱っこ紐に乗せて買い物していましたが、疲れることはほとんどなかった様です。

 但し、抱っこ紐の装着にはいくつか注意点があり、正しい装着方法となっていなければ、肩に大きな負担がかかったり、重たく感じる場合があります。

 その為、口コミ等で「肩が痛い」「重い」と記載されてしまうこともあります(これは、どの抱っこ紐でも言えます)。

 ベビービョルンは、比較的に正しく装着しやすい構造となっていますが、少し違和感を感じる場合は、取扱説明書で正しい装着方法を確認してみることをオススメします。

 具体的には、「下を向いた時に赤ちゃんの頭に口が届く高さで抱っこする」「肩ベルトは肩甲骨の少し上にする」「赤ちゃんはぴったり引き寄せる」といった具合です。

4-2.通気性が良く真夏でもほとんど蒸れない

 また、季節を問わず、ベビービョルン「ONE KAI Air」に乗せたままレジャーを楽しんでいる筆者の家庭でも、極端な蒸れを感じることはほとんどありません。

 もちろん真夏は、赤ちゃんと接している面が暑くなりやすいですが、通気性が優れている分、お互いの体温が上がりすぎる、といったことはありませんでした。

 メッシュ生地が間にある分、手で抱っこしたり、通気性の悪いベビーカーに乗せるよりも、涼しいのかもしれません。

 抱っこ紐に乗せていると、体温や発汗状態、顔色などを常に確認することができる為、そういった面でも季節の変化に対応しやすいと考えられます。

 真夏は手足を出して体温調整できるように、真冬はしっかりと厚着をしつつ体温が上がりすぎないように、注意しておくと良いでしょう。

4-3.夫婦の体格差を気にせずに使用できる

 筆者の家庭では、夫婦間の身長差が20cm近くありますが、肩ベルトの位置を少し調整するだけで、気にせず使用することができます。

 実際の装着感は個人差があると考えられる為、必ず全ての体型に適応するかは分かりませんが、様々な体型に適応しやすくなっていることは間違いなさそうです。


4-4.長期間の使用による経年劣化がほとんどない

 また、少し意外だったこととして、ベビービョルン「ONE KAI Air」には、長期間の使用による経年劣化がほとんどなかったことです。

 「ONE KAI Air」は、股の部分にあるファスナーカバー以外は、全てポリエステルでできています。

 ベビー用品と言えば、綿100%が良いようなイメージがありますが、綿製品は縮みやすく長時間の日光や紫外線によって変色、強度低下が起きやすい特徴があります。

 反対に、ポリエステルは繊維の性質上、しわになりにくく、長時間の日光や紫外線に強く、耐候性に優れていると言われています。

 実際に、毎日日光に当たっていた筆者の家庭の抱っこ紐では、唯一の綿素材であるファスナーカバーだけ変色してしまっています(抱っこすると、ほとんど見えなくなる部分です)が、それ以外の部分には、目で見て分かる劣化は発生していません。

 綿素材は耐候性が高くない為、綿素材にこだわって抱っこ紐を購入しようと考えているパパママは、ひと夏限りの使い捨て製品だと割り切って購入した方が安全かもしれません。

5.腰痛や肩凝りに悩む前に本当に良い抱っこ紐を!

 ここまでベビービョルンの抱っこ紐(ベビーキャリー)をひたすら推奨してきた筆者ですが、今回紹介した抱っこ紐に限らず、ぜひ自分たち夫婦に合った抱っこ紐を購入して頂きたいと思います。

 長時間、手で抱っこしていると、どうしても立ち姿勢が悪くなりやすく、腰痛や肩凝りを引き起こしやすくなります。

 特に腰痛は、一生ものの傷になってしまう場合も多く、子育てが終わってからの第二の人生に支障をきたしてしまう可能性もあります。

 抱っこ紐は毎日使用するものである為、たった1年間しか使用しなかったとしても、1日当たりたった55円の出費です(2万円÷365日で算出)。

 自分たちに合う抱っこ紐を見つけて、快適な育児ライフを送れることを願っています。

 なお、抱っこ紐(ベビーキャリー)は、大切な赤ちゃんの安全性に関わる物である為、多少の価格差があっても、安心できる正規品販売店で購入するようにしましょう(ベビービョルン「ONE KAI Air」正規品販売店(楽天市場へ))。