【男性の産後うつ】育休中の妻が羨ましいと感じる男性は少なくない!

 「育休中の妻が羨ましい」なんてことを男性が口にすれば、世の女性たちから大バッシングを受けることは間違いありません。

 そんなことは分かっていても、「仕事のストレスが無い」「大きな変化のない家事育児」「夫に文句を言いたい放題」な妻を見ていると羨ましく感じることは少なくないものです。

 確かに、1日中子どもの泣き声を気にしながら、家事をこなすことが大変だということも理解できますが、「妻は大変」「夫はもっと協力すべき」という社会的な圧力が、男性のストレスになることもあります。

 また、大変さを理解しているからこそ、下手 (したて)に出て家事や育児に取り組んでいても、妻のイライラは収まることなく、毎日のように罵声を浴びせられるといった男性も少なくありません。

 本記事では、そういった悩みを抱える男性たちの「男だって大変なんだよ!」という声を集めてみました(注意:決して女性の方が楽だということを記載しているわけではありません)。

1.育休中の妻が羨ましいと感じる7つの瞬間

1-1.上司と接するストレスが無い

 育休中の妻が羨ましいと感じる瞬間として、「上司からのストレスが無い」ことが挙げられます。

 育休中の妻にも、「ママ友と接するストレス」等はあるかもしれませんが、逆らえない理不尽な罵声や、定時直前での業務命令といった無理難題をぶつけられることはほとんどありません。

男女それぞれに同じようなストレスが存在しているにもかかわらず、女性側のストレスだけ肯定されている世の中に納得できない男性も少なくないでしょう。

1-2.仕事の責任によるプレッシャーが無い

 同様に、育休中の妻が羨ましいと感じる瞬間として、「仕事の責任によるプレッシャーが無い」ことも挙げられます。

 対比として、「育児には子どもの命を背負う責任がある」ということが言われるものの、仕事においても、「部下や同僚、関係者の人生を背負う」こともあれば、「会社生命に関わる重大な業務に関わる」こともあります。

 会社に万が一のことがあれば、「多くの家族の人生を壊してしまう」可能性まであり、重大な責任の中でストレスを感じ続けることも少なくありません。

 育児とは違い「仕事は帰宅すれば解放される」と言われることもありますが、重要な業務を背負っていると、帰宅後(入浴時や休憩時、就寝時、等)も仕事のことが頭から離れないこともあるでしょう。

 こちらも男女それぞれに異なった責任やプレシャーがあるにもかかわらず、女性側だけ「命にかかる重大な責任」として扱われることに、違和感を感じる男性も少なくないでしょう。

1-3.家事と育児はやることが決まっている

 また、家事と育児は「やることが限られている」ということを羨ましく感じる場合もあります。

 会社では、常に業務内容(方法)は変化していきますし、出世するにつれて、業務も責任も変化していきます。

 家事や育児もステージ(乳幼児、小学生…)によって変化はあるものの、仕事ほど大きな変化はありません。

 また、上司からの無茶ぶりによって、「本来自分の担当ではない業務」をやらなければいけなくなることもありません。

 そういった背景から、自分の努力で、計画的にこなせる家事や育児を羨ましいと感じる男性も少なくないでしょう。

1-4.家事と育児さえしていれば許される

 続いて、育休中は「家事と育児さえしていれば許される」ということが挙げられます。

 家事と育児だけでも大変なことは理解しつつも、夫からすれば、どれだけ仕事を頑張って帰ってきても、家事や育児に協力しなければいけませんし、どれだけ協力しても感謝されることはほとんどありません(夫婦の子どもだから協力して当然、という目で見られます)。

 本人の意思(働きたい等)を除けば、女性は家事と育児だけしていても「普通の妻」として見られますが、男性は仕事だけしていると「ダメな夫」と見られがちです。

 また、家事や育児に協力するために、育児休業や時短勤務といった制度を利用しようとしても、職場の理解が無く、自らの出世に影響する可能性もあります。

 出世に関しては、女性も同じ状況に置かれているとはいえ、女性に比べて出世していない男性は地位が低く見られがちである為、出世できないことによるストレスは、女性以上であると考えられます(本人の意思ではなく、社会的な地位として)。

 このように、仕事も家事も育児も全部、真剣に取り組まなければ、社会的に厳しい目を向けられることに納得できない男性も少なくないでしょう。

1-5.我慢できなくて当然という風潮がある

 また、そういった環境に置かれている男性に対して、「家事や育児は大変だから我慢するしかない」という厳しい意見が一般的になっています。

 男性は、仕事で疲れて帰って妻に罵声を浴びせられ、家事や育児に追われていても、我慢するしかないのに対して、女性に対しては、「大変だからイライラして当然、怒って当然」とされる風潮があります。

 女性は、「我慢できれば凄い」「我慢できなくて当然」であるのに対して、男性は「我慢して当然」「我慢できないのはダメな夫」と見られることにストレスを感じることも少なくありません。

1-6.助けを求める環境がある

 同様に、我慢できなくなった女性は、保健所や各種相談窓口、保育園などに助けを求めることができますが、男性は助けを求めにくい環境となっています(女性の相談が中心の為、施設側も慣れていない)。

 また、SNS等で「夫も大変なんだ」と嘆いてみても、世の女性たちから厳しい罵声ばかりが飛んでくるか、世の男性たちから「我慢するしかないよ」といった諦めの言葉が飛んでくるだけです。

 そういった環境を目の当たりにすると、「もうやってられない」「育休中の妻が羨ましい」と産後鬱や育児鬱に陥ってしまう男性も少なくありません。

 なお、近年では男性も女性と同レベルの育児うつ発症リスクがあるとされています。

1-7.子どもの成長を体験できる

 さらに、仕事によってはやりがいや楽しさを感じる場面もありますが、現実的にはストレスしかないことも少なくありません。

 それに対して、育児では子どもの成長や変化をリアルタイムに体験でき、愛情を注いだ分の幸せが返ってきます。

 どれだけ頑張っても、「ストレスしかない仕事」と「見返りのある育児」を比較して、育休中の妻を羨ましく感じる男性もいるでしょう。

2.男性の産後うつ(育児うつ)になる前に

 これらの要因が重なり、近年では男性の産後うつ(育児うつ)のリスクが指摘され始めています

 具体的な解決策は、夫婦でしっかりと仕事や家事育児の分担について話し合い、「どちらの方が大変ではなく、どちらも大変なんだ」ということを、夫婦両方が理解することが欠かせません。

 また、意外と効果的な解決策として、「SNS等を辞めてもらう(お互いに辞める)」ということもあります。

 SNS等は、自分にとって好ましくない人を除外し、好ましい発言をする人だけをフォローする傾向がある為、同族(同じ考え方を持つ者)が集まりやすくなっています。

 その為、SNS等では、偏った考え方(夫は家事育児を手伝って当たり前、等)が肯定されやすく、負の感情を増幅しやすいものとなっています。

 そういった同族(夫の敵のように扱う者)が集まると、どんどん夫に対して敵対心を向けるようになります。

 夫に敵対心を向ければ向けるほど肯定されるため、SNS内で承認欲求が満たされ、気持ちよくなってしまうのです)。

 万が一、妻がそういった状態に陥っていると推測される場合には、辞めてほしい旨を伝えてみると良いかもしれません。

3.産後うつ(育児うつ)は本人では気付けない場合も

 最後に、本記事にたどり着いた方は、産後うつ(育児うつ)のリスクが十分にあると言えます。

 産後うつや育児うつに限らず、精神疾患は誰にでも起きるリスクのあるものであり、本人は気付かないことが良くあります。

 周囲が気付かなければいけませんが、周囲にいる妻もその要因のひとつとなれば、気付いてくれる人は居なくなります。

 本当につらくなる前に、保健所や「心の相談窓口」に電話してみることをおすすめします。