育児休業する男性がすべき育児リスト!鍵は主体性を持つこと!

 まだまだ事例の少ない男性の育児休業ですが、そんな中で育児休業することを決めた男性に、ぜひ実行して欲しい育児を紹介します。

 世の中では、「寝かしつけはするべき」「オムツ交換くらいはできないと」等と言われることもありますが、これは最低限のことでしかありません。

 せっかく育児休業したにも関わらず、このようなことしかしていなければ、残念ながら、「自称イクメンの役立たず」と言われてしまうかもしれません。

 本記事では、「自称イクメン」になってしまわないように、男性が本当にすべき育児について、紹介しています。

1.育児休業する男性が意識するべき心得

 まず、育児休業中の男性がするべき育児リストを紹介する前に、育児リストの前提となる心得について、紹介します。

1-1.父親として当事者意識を持つこと

 世の中の男性 (父親)たちに最も足りないものは、「当事者意識」とも言われています。

 当事者意識を別の言い方に変えれば、「父親の自覚」とも言えるかもしれません。

 あなたがこれから育てようとしている子どもは、母親の子どもでも妻の子どもでもなく、あなた自身の子どもであり、その子どもを養育する責任は、"夫婦"にあります。

 例え、養子や連れ子だったとしても夫婦二人に養育責任があります。

 「そんなことは当たり前だろう」と思うかもしれませんが、そんな当たり前のことを法律 (男女共同参画社会基本法)に定めなければ、当たり前だと思われない時代があったのです。

 現代の親世代は、この法律が施行される直前、又は直後 (1999年施行)の社会で育っている為、無意識に施行前の価値観 (男は外で働き、女は家庭を守るという考え方)を受け継いでいるはずです。

 実際に、「学校の面倒や食事は母親がほとんどしてくれていた」「父親は遊び以外であまり関わらなかった」という記憶がある方も多いのではないでしょうか。

 幼き頃にそういった環境で育っていると、無意識に「父親の自覚(≒責任)」を忘れてしまうことがあります。

 例えば、あなたが仕事をしている間に、妻の不注意で子どもの命が危険にさらされた時、あなたはどう考えるでしょうか。

 もしも、「仕事をしている間の出来事であり、監督者の妻の責任だろう」と思うのであれば、残念ながら当事者意識が無い、と言えます。

 あなたが仕事をして妻が一人で育児をすることは、夫婦で決めたことですので、当然ながらに夫婦に責任があります。

 また、妻が不注意になるような環境を放置していた (気付かなかった)あなたにも責任があります。

 それに対して、「そんな理不尽なことはない!任せていた間は仕方がない!」と思うのであれば、やはり当事者意識がありません。

 納得できない方の為に、もう少し具体例で紹介すると、例えば、あなたにとって本当に大切な宝物を誰かに預かってもらう場合、あなたは相手の預かり方を一切把握せずに、その宝物を預けるでしょうか。

 どういった預かり方をしているのか、預かっている間にどういう管理をしているのか、といったことを把握していて当たり前ではないでしょうか。

 さらに具体例を紹介すると、あなたが家を建てる時に、何も確認せずに住宅メーカに全てお任せすることは無いでしょう。

 それは、あなた自身がお金を支払って、あなた自身が住むという当事者としての意識があるからです。

 つまり、仕事中の育児を母親に全てお任せして、その責任は負わない、という考えそのものが、当事者意識が無いと言えるのです。

 ただ、父親としての自覚 (当事者意識)は、育児を通じて自覚していくものだと言われている為、現時点で、そういった当事者意識が無くても心配する必要はないと考えられます。

 育児が始まってから、「当事者意識があればどう行動するか?」ということを自問自答しながら、軌道修正していくことが大切だと言えるでしょう。

1-2.父親として主体性を持つこと

 もう一つ、世の中の男性 (父親)たちに足りないものとして、「主体性」が挙げられています。

 例えば、「積極的にオムツ交換をしている」「積極的に沐浴をしている」場合、主体性を持って取り組んでいると言えるでしょうか。

 もしも、オムツ交換や沐浴の方法まで、あなた自身で調べ、正しいと判断した方法で実施しているのであれば、その育児に対して主体性を持っていると言えます。

 しかし、その方法を妻から教わり、何らかの問題が発生した際に、「妻から教わったやり方だ」と妻に責任転換するのであれば、主体性があるとは言えません。

 主体性とは、「自分の意志や判断に基づき、自らが責任を持って行動すること」です。

 つまり、あなた自身の行動が、あなたの意思や判断に基づいていなければならず、「妻から教えてもらった方法」に従って、そのまま実行しているのであれば、主体性があるとは言えないのです。

 このように父親の主体性が無ければ、母親が育児に関する判断と責任を背負うことになってしまい、母親の心理的な負担は下がりません。

 オムツ交換や沐浴といった、子どもと直接関わる育児に注目しがちですが、本来は、こういった育児に関する知識をお互いに収集し、相談し合えるレベルに保つことの方が大切です。

 つまり、これから育児をする父親は、「主体性があればどう行動するか?」ということを自問自答しながら、軌道修正していくことが大切と言えるでしょう。

1-3.配偶者の心身にも目を向けること

 また、夫として、「配偶者の心身に目を向けること」も忘れてはいけません。

 あまり心配させると良くないかもしれませんが、産後うつの発症リスクは、10人に1人と言われています。

 産後は心身共に非常に衰退しており、一番身近にいるあなたが、妻の異変に気付いてあげなければいけません。

 母親の健康は、あなたや子どもの健康にも影響する為、常に母親の変化に目を向けておくことが大切と言えるでしょう。

2.育児休業する男性にして欲しい育児リスト

 前置きが長くなりましたが、本記事の本題である「育児休業する男性にしてほしい育児リスト」について、紹介します。

2-1.子どもと直接関わる育児リスト

 まず初めに、育児休業中の男性がやって"当たり前"の「子どもと直接関わる育児リスト」を紹介します。

 なお、育児休業中(1歳まで)の育児に限定して記載しています。

  • 【子どもと直接関わる育児リスト】※1歳まで
    • ・食事 (ミルク、離乳食含む)
    • ・入浴 (沐浴含む)
    • ・寝かしつけ
    • ・オムツ交換 (早ければトイレ補助含む)
    • ・遊び
    • ・機嫌をとる
    • ・着替え
    • ・移動 (抱っこやベビーカー含む)
    • ・保育園の送り迎え

 これらは、育児休業しているかどうかに関係なく、父親としてやっていて"当たり前"な育児です。

 授乳を除き、全て男性一人でもできることですので、主体的に取り組むように意識しましょう。

2-2.子どもを管理する育児リスト

 続いて、育児休業中の男性が"一人前"になる為に必要な「子どもを管理する育児リスト」を紹介します。

  • 【子どもを管理する育児リスト】※1歳まで
    • ・育児に関する予定管理 (予防接種等)
    • ・育児に関する健康管理 (便の色、肌の色等)
    • ・育児に関する持ち物管理 (在庫、名前書き等)
    • ・育児に関する情報収集 (予防接種、健康管理等)
    • ・育児に関する周囲環境との交流 (いわゆるママ友等)

 一人で収集できる情報には限りがある為、ママ友 (パパ友)や地域との交流の場に積極的に参加し、情報収集に努めなければいけません。

 ママ会や地域交流などには、面倒くさい一面もありますが、育児に関する大切な情報を逃さないようにする為には欠かせません。

 厚生労働省の調査によれば、子どもと直接関わる育児をしている男性は多くいますが、子どもを管理する育児をしている男性は、ほとんどいません。

 育児休業をして育児だけに向き合うことができるようになった男性は、ぜひ子どもを管理する育児にも主体的に取り組むべきだと言えるでしょう。

2-3.夫婦関係を良好に保つことも忘れずに

 また、健康的に育児をする為には、「夫婦関係を良好に保つ」ということも欠かせません。

 夫婦関係を良好に保つ為に、子どもと接する育児だけを考えるのではなく、子どもが生まれる前と同じくらい、妻とも向き合いましょう。

 子どもが生まれる前よりも、妻と二人の時間が減り、話し合いをする機会も減ってしまいます。

 内閣府の調査によれば、育児について話し合いをしている夫婦ほど、育児について前向きな感情を持っていることが分かっています。

 夫婦関係を良好に保つ為に、自分の"妻"として、話し合いを繰り返すことを意識すると良いでしょう。

3.夫婦で話し合って協力しよう

 ここまで、自分一人でも育児ができるように取り組むことを紹介してきましたが、実際には、最初から自分一人で育児することは、不可能です。

 まずは、夫婦二人でお互いの苦手な部分を補いながら、大変な時期を乗り切りましょう。

 そして、お互いにできることを少しずつ増やしていくと良いでしょう。

 完ぺきを目指しすぎることで、理想の父親像が自分を傷付けてしまうこともあります。

 理想の父親像を目指しながらも、無理をしすぎない、抱え込まないように心掛けましょう。

 そして、何よりも大切なことは、勇気をもって決断した育児休業を後悔しない為に、夫婦二人で協力して、育児を楽しみ、充実感を満喫することだと言えるでしょう。