【時間活用編】子育てパパになる為に必要な仕事術!仕事と育児の両立!

 現代では、子どもが生まれたら子煩悩なパパになりたい、又は仕事も育児も両立する父親になりたい、と考えている男性が増えてきました。

 一昔前のように、仕事さえ頑張っていれば、社会から認められるような時代ではなくなり、バリバリのキャリア人材であっても、家庭での育児参加が欠かせなくなっていることが背景にあると考えられます。

 そこで、本記事では、大企業で業務改善や働き方改革を遂行しながら、育児休業を1年間取得した筆者が実践していた「仕事でも育児でも使える時間活用術」を紹介します。

1.細切れの時間を大切にすべし!

 「会議まであと2分しかないから」「出掛けるまであと5分しかないから」といって、ごそごそと無意味に机の整理をしたり、少しゆっくり移動し始めたりしたことはないでしょうか。

 そのような細切れの数分間が1日に5回あれば、それだけで1日に10分以上の時間を捨てていることになります。

 1日では、たった10分かもしれませんが、1週間では50分にもなります (週休二日制として)。

 また、1日10分早く帰ることができれば、子どものオムツを1回多く変えてあげることもできます。

 仕事と育児の両立をする為には、「あと2分しかない」という考え方を、「あと2分もある」という考え方に変え、細切れの時間を有効に活用するように心掛けることが大切です。

1-1.PCや手帳は必ず持ち歩いて空き時間を活用すべし

 細切れの空き時間を活用にする為には、PCや手帳などを常に持ち歩くようにしましょう。

 たまに、会議に出席する際に、メモ帳だけ持って、5分前から会議室にただ座っている人がいます。

 この「5分前集合」は、日本人の習慣にもなっている為、こういった光景は珍しくありません。

 会議に遅れてしまえば、多くの人の時間ロスが発生してしまう為、「5分前集合」そのものは悪いことではありません。

 しかし、あくまで会議に遅れないように出席することが目的であり、5分前から会議の心の準備をして待っている必要はありません。

 今どき自分の机で無ければ仕事ができないようなケースは珍しい為、会議室に移動する際にはPC等を持ち込み、会議が始まるまで、仕事をするように心掛けましょう。

  • 【細切れの空き時間 仕事例】
  • ・会議が始まる前の数分間
  • ・大量の資料印刷時の数分間
  • ・会議中に他の人が脱線した会話をしている数分間
  • 【細切れの空き時間 家庭例】
  • ・煮込み料理等を煮込む数十分間
  • ・出掛ける前の数分間
  • ・ミルクをあげている間の数分間

 時間に余裕があれば、細切れの時間をかき集める必要はないかもしれませんが、少しでも自分の時間を増やしたい子育てパパの場合は、細切れの時間を大切にするように心掛けると良いでしょう。

1-2.メールの返信は計画的にすべし

 また、「YES」か「NO」を返信すれば良い、簡単なメールの返信を後回しにする方がいます。

 重要な取引に関わる内容等、上司に確認する必要がある場合は、仕方がないかもしれませんが、会議や親睦会の出欠確認まで後回しにしている方がいます。

 たった1分で返信できる内容を、一度寝かせてしまうことで、頭の中のタスクが一つ増えますし、再度読み返す時間も増えてしまいます。

 簡単なメールを寝かしてしまう要因はいくつか考えられますが、一番多い要因は、「メールを確認する時間を決めていない」ということが考えられます。

 他の業務に集中している時にメールが届き、「急ぎの内容かどうかだけ確認しよう」という意図から、すぐに中身を確認してしまう人は、特にその傾向があります。

 しかし、そのような「急ぎではない」ことを確認する為だけに、業務は中断されてしまいますし、返信していない為、生産性は一切ありません。

 そもそも急ぎの連絡をメールでするような非常識な相手に、こちらの時間を使う必要はありません。

 特別な事情が無い限り、出社時、昼休み後など、時間を決めて確認するようにし、すぐに返せるメールはすぐに返すように意識するとよいでしょう。

  • 【メール返信のポイント】
  • ・メールを確認するタイミングを決めて、それ以外は確認しない
  • ・すぐに返信できる内容は、すぐに返信してタスクを減らす

 家庭でのLINEやSNS等でも同様であり、見る時間をある程度決めて、それ以外の時間は見ないようにすることで、スマホ依存を無くすことにも繋がります。

 仕事と育児を両立する為には、すぐに終わるタスクを後に残さないようにする仕事術や育児術が必要だと言えるでしょう。

1-3.そもそも細切れの時間を作らないようにすべし

 また、徐々に細切れの時間活用に慣れてくれば、そもそも細切れの時間を作らないようにすることも大切です。

 家庭で実践することは難しいかもしれませんが、仕事では、様々な方法で細切れの時間を無くすことができます。

 例えば、先ほどの会議前の空き時間に関しては、細切れにならない程度に早く会議室に移動しておく方法があります。

 具体的には、あえて20分前などに会議室に移動してしまうのです。そうすれば、会議室で20分間の業務を進めることができます。

 また、最近では、オンライン会議を活用することでも、空き時間を無くすことができるでしょう。

 その他、大量の資料印刷は、庶務や書記担当に依頼するといった方法もあります。

 これらの方法に限定せず、普段の仕事の中に潜む細切れの時間そのものを無くしてしまうことが、仕事と育児の両立には欠かせないでしょう。

2.業務の細分化で頭を整理すべし!

 ここまで細切れの時間を活用する方法を紹介してきましたが、それらを最大限に活用する為には、業務や家事を細分化しておくことが欠かせません。

2-1.外乱の無いまとまった時間は無いと思うべし

 慢性的に残業が多い方の特徴として、「複雑な業務は、外乱の無いまとまった時間 (=定時後)に終わらせよう」という考え方をしている傾向があります。

 この考え方では、「複雑な業務」と定義した業務が、40時間分あれば、必然的に40時間残業することになります。

 それでは、どれだけ空き時間を有効活用しても残業が減ることはありません。

 「複雑な業務」という定義付けをしてしまっている方は、まずは後述する「一区切りの業務の組み合わせ」という定義に見直すことが必要です。

 「一区切りの業務の組み合わせ」という定義に見直すことができれば、まとまった時間が無くても業務を進めることができるようになり、自然と残業が減っていくと考えられます。

2-2.複雑な業務は積極的に細分化すべし

 良く勘違いされますが、まとまった時間がない中で、複雑な業務を業務時間内にこなしている人は、「頭がいい」わけではありません。

 ただ単に、「複雑な業務」を「一区切りの業務」に細分化しているだけなのです。

 それは、難しい作業のように思えますが、誰でも無意識にしていることです。

 例えば、2週間の海外旅行を計画する場合を考えます。「2週間の海外旅行の計画 (複雑な業務)」と定義すれば、少なくとも3~4時間のまとまった時間が無ければできませんし、頭の中も複雑になります。

 それを「出国手続きの方法 (旅券の準備等)」「滞在方法 (宿の手配等)」「観光方法 (旅先や食事等)」というように、ひとつひとつ分割すれば、「一区切りの作業」にすることができます。

 これは、海外旅行に何が必要か?どういう要素が必要か?ということが、これまでの経験から分かっている為、区切りを付けることができるのです。

 このように、「複雑な業務」を「一区切りの業務」に置き換えることは、日常的に、誰もが当たり前にしている行為です。

 つまり、「複雑な業務」と定義付けしている業務も、その業務を構成する要素を把握し、整理することで、「一区切りの業務」に細分化することができるはずです。

 「複雑な業務」を積極的に「一区切りの業務」に置き換え、細切れ時間を有効活用するように心掛けると良いでしょう。

2-3.細分化した業務はいつでも始められるようにすべし

 そして、そのように細分化した業務は、短い空き時間でも進められるように、整理しておくことが大切です。

 業務整理が苦手な方は、5分でできる業務、15分でできる業務、30分でできる業務、というように頭の中で整理しておくと良いと思います。

 なお、例えば、1時間拘束される業務 (定例会議など)の中にも、自分にとっては重要でなく、聞き流す程度で構わない時間も含まれているはずです。

 「あ、いま頭が空いているな」と思った時に、作業できる業務を整理しておくと良いでしょう。

 また、複雑な業務を細分化する能力は、家事や育児にも欠かせません。

 極端な例で言えば、「子育て」とすると、複雑すぎますし、20年のまとまった時間が必要になります。

 しかし、「子育て」をひとつひとつ、「ご飯の食べ方」「服の着替え方」「トイレの仕方」というように、細分化していくことで、少しずつ単純になっていきます。

 さらに、「トイレの仕方」を例にすれば、「トイレに行きたいと思う気持ち作り」「トイレまでの排尿(排便)間隔を保つ筋肉」「トイレでの排尿方法」というように、より細分化して解決していかなければいけません。

 一見すると全く繋がりのない仕事と育児でも、「自分の頭で理解しきれるレベルまで、作業を細分化する」という点では、どちらも同じスキルが必要だと言えるでしょう。

3.会議や打ち合わせを短縮すべし!

 さらに、細切れの時間活用ができれば、次は長時間になりやすい会議や打ち合わせの短縮をしていきましょう。

 こちらも極端な例で言えば、会議時間をたった5分短くしただけでも、大きな成果と言えます。

 会議時間の短縮について、「仕事術で良く見るけど、そんなに簡単じゃないよ」という方がいます。

 ただ、会議時間の短縮は、とても簡単です。会議の趣旨や目的から外れたコメント等は、「別の機会で」と全てはじいていくだけでも、会議時間はかなり短くなります。

 要するに、「必要のないことを冷静に切り捨てる意識」さえ持てば、会議時間は短くなるのです。

 立場上、そういう切り捨て方をしづらい場合は、ファシリテータとして振る舞うことを宣言しても良いでしょう。

3-1.会議の目的は事前に共有すべし

 会議時間を短縮する為には、まずは会議の目的を事前に共有するように心掛けましょう。

 たまに、「〇〇の件について相談したい為、ご参集ください」というような会議の案内を出す方がいます。

 これでは、会議に出席する人からすれば、どんな相談が来るか分からない為、何も準備しないか、余分な準備をしなければいけなくなります。

 また、相談内容によっては、専門性の高い1人が出席して、後日、議事録として関係メンバに共有すれば良いケースもありますが、この内容だけでは、出席要否を判断することができません。

 このケースで言えば、最低でも「〇〇の件について、○○の必要性を判断したい為、ご参集ください (※判断に必要な情報をメールに添付して)」等、可能な限り、詳細な目的を共有するようにしましょう。

 会議の詳細な目的が分かれば、メールだけで解決する可能性もありますし、事前に資料の準備ができる為、会議時間も短くなりやすいです。

3-2.会議の時間を区切って時間内に終わらせるべし

 また、会議時間は、項目やテーマ毎に時間を決めて、時間通りに進むように、会議の発言や質疑をコントロールしましょう。

 そういったスキルは、ファシリテーションスキルと呼ばれ、単に時間削減だけでなく、会議の質を向上させる効果も得られます。

 ファシリテーションスキルについては、ボリュームが大きくなる為、別記事にて詳細に紹介したいと思います。

3-3.不必要な会議の出席数を減らすべし

 最後に、不必要な会議への出席を減らすことも検討しましょう。

 自分が必ず出席する必要がある会議を減らすことは、難しいかもしれませんが、任意出席である場合は、意識的に出席数を減らすことは可能です。

 会議が1つでも減れば、短くても15分、長ければ2~3時間短縮できる場合もあります (今どき1時間以上の無駄な会議をしている職場は少ないと思いますが…)。

 また、会議の中には、自分に必要な部分が終われば、耳を傾けておく程度でいい会議もあると思います。

 そういった会議では、メモを取っているフリをしながら、メールの返信を済ませたり、他の資料作成を進めることもできます。

 筆者の場合は、最初から最後まで、自分のPC画面を映して話す必要がある会議以外は、ほぼ必ず別の業務を並行して進めていました。

 会議の内容を理解する為に、議事録役を好んでする人もいますが、議事録を作成していては、並行業務ができない為、個人的には新入社員を除き、オススメしません。

 なお、筆者が業務改善を進めている中で、会議の目的と出席者を絞り込むだけで、各人の会議数が半数以下になった事例もあります。

 そして、実は、これらの考え方は、家事や育児にも共通します。

 行動の目的を把握し、事前準備し、不要な部分を省くということは、家事や育児でも欠かせないスキルだと言えるでしょう。

4.仕事も家事も育児も細切れの時間活用が鍵!

 最後に、業務時間内には多くの外乱 (メールや電話、来客など)が発生することが多く、まとまった時間を確保することは容易ではありません。

 また、家事や育児でも、常に多くの外乱 (子どもの行動、電話、来客など)に対応しなければいけない為、まとまった時間を確保することは容易ではありません。

 つまり、仕事も育児も、まとまった時間を確保してから処理しようとするのではなく、業務を細分化し、細切れの時間を活用して処理していくことが欠かせません。

 改めて自分自身の行動スケジュールを把握してみると、実行過程で「細切れの空き時間」が発生していることも少なくありません。

 まずは、そういった「細切れの空き時間」をひとつひとつ埋めていくように、心掛けると良いかもしれません。

 たった5分でも早く帰ることができれば、1回多くオムツ交換することができます。

 ぜひ、細切れ時間の有効活用を進めてみてはいかがでしょうか。