【ルーティン】子育て生活を習慣化するメリットとその方法!

 子どもが生まれてから子ども中心の生活が始まり、思うように新たな挑戦を始められずに、頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。

 子ども中心の生活が続くあまり、「子どもに人生を注ぐことが生きがい」等と、子どもの人生に親の人生まで乗せてしまっているケースも見受けられます。

 そのような状態では、親の期待を一身に背負う子どもの負担は計り知れませんし、子離れできない親になってしまう可能性もあります。

 また、約20年以上の人生を全て子どもに捧げてしまうと、子どもが巣立った後に、自分たちの人生を楽しめなくなってしまう可能性も考えられます。

 子どもが生まれたことによって、"自分の人生"を見失ってしまっている方も少なくありません。

 そこで、本記事では、子育て中でも新たな挑戦を始められるようになる、「子育て生活の習慣化(ルーティン化)」について、詳しく紹介していきます。

1.子育てに追われる日々に起きやすいこと

 まずはじめに、冒頭でも少し触れましたが、子育てに追われる日々に起きやすい問題をより詳しく紹介していきます。

1-1.何事も計画通りに進まない

 子育て中は、独身の頃よりも家族の世話(着替え、食事、掃除など)をする機会も多くなり、自分の計画通りに進まないことも少なくありません。

 例えば、「1日30分トレーニングしよう!」と決めていても、トレーニング中に子どもが泣き出して中断されたり、子どもの体調不良で病院に行かなければならず、トレーニング時間が確保できない、といったことが頻繁に発生します。

 自分が「ここまではやろう!」と決めていたことが達成できない日が続くと、どんどんやる気が失われてしまうことも少なくありません。

1-2.ストイックさを追求できない

 また、子育てをしていると、どうしてもストイックさを追求できない場面も多くあります。

 自分一人であれば、突然の予定変更があった場合でも「食事時間を後ろにずらす」「睡眠時間を削る」といったことで、ストイックに継続することができますが、家族で生活していると、家族全員に迷惑がかかる場合もあり、なかなか追求しにくくなります。

1-3.目標がほとんど達成できない

 そういった背景から、新たな挑戦を始めても継続することができず、目標を達成できないまま辞めてしまうことも少なくありません。

 何とか継続していても、目標水準に達するまでに時間が掛かり、思うように目標を達成できないのです。

1-4.新たなことに挑戦する余裕がない

 そういった状態が続くと、新たな挑戦を始める気力すら無くなってしまう可能性もあります。

 実際に多くの家庭では、「子ども中心の生活をしている」「子どもの幸せが自分たちの幸せ」というように、自分たちの人生を子どもに背負わせてしまっている状況です。

 結婚して子どもが生まれるまでは、自分たちがやりたいことをしていた人たちでも、子どもが生まれることで、やりたいことを始められなくなってしまうこともあります。

1-5.家族の協力を得られない

 その背景には、家族全員の協力が得られにくいことも原因としてあるのかもしれません。

 例えば、妻は多趣味で色々なことに挑戦したい気持ちが続いていても、夫が無趣味で仕事と子ども中心の生活になっている場合、夫は妻が趣味(自分の為)に時間を使っていることにどうしても納得できないものです。

 夫も趣味を見つけることがベストかもしれませんが、仕事や子どもの対応に追われると、前述した通り継続できず、すぐに飽きてしまうことも少なくありません。

1-6.自分のことは後回しになる

 夫婦の方向性が合っていないことで、喧嘩が増えますし、いずれはどちらかがもう一方の方向性に合わせるしか無くなると考えられます。

 子どもは自分の意思を適切に伝えることができない為、前述の例であれば「妻 vs 夫+子」という構図が出来上がる可能性が高くなります。

 そうすると、妻は趣味をある程度だけ抑えざるを得ず、徐々に自分のことは後回し(子ども優先)の家庭ができあがっていくと考えられます。

 こういった背景に限らず、「子ども最優先」を美徳とするような考え方から、自分たちのことは後回しにしている家庭もあるでしょう。

 このように、家族全員が新たな挑戦に対する意欲を持っていない限り、新たな挑戦ができなくなってしまう可能性が高くなると考えられます。

2.子育て生活の習慣化で解決すること(メリット)

 しかし、これら「子育てに追われる日々に起きやすい問題」は、"子育て生活を習慣化"することで、それなりに解決できます。

 なお、"習慣化"とは、毎日続けていることではありません。

 ここで言う"習慣化"とは、毎日しなければ「気持ち悪い」「落ち着かない」というレベルにまで、"ある行動が自分に擦りこまれた状態"です。

 具体的な例で言えば、歯磨きやお風呂のような行動だと捉えれば良いかもしれません(一部の人は、習慣化されておらず、サボっている日もあるかもしれませんが…)。

2-1.家庭内の決まりと流れができる

 まずはじめに、子育て生活を習慣化することで、家庭内の独自ルールができあがります。

 例えば、「お風呂に入ってからご飯を食べる」「寝る前に歯磨きする」等、誰かが決めているわけではないにも関わらず、毎日、決まって行動していることはないでしょうか。

 生活を習慣化することで、そういった家庭内の"暗黙のルール"ができあがります。

 その"暗黙のルール"は、家族全員に擦りこまれ、やらなければ「気持ち悪い」「不安になる」といった状態を生み出します。

2-2.計画通りに進めやすくなる

 また、家庭内の"暗黙のルール"ができることで、家族の誰もが"暗黙のルール"を考慮しながら、計画を立てることになります。

 この"暗黙のルール"なしに、毎日誰かが異なる生活行動をしていると、家族全員がまとまらず、計画通りに進めることが難しくなります。

 例えば、「みんなで夕食を食べる」と決めていた場合に、誰かの帰宅時間が安定せず、夕食が18時になったり、20時になったりしているケースがあります。この場合、誰かの別の習慣(残業など)が、家族全員の生活行動を乱していることになります。

 反対に言えば、夕食時間がバラバラになってしまう、という悪い習慣が習慣化されてしまっている、と言えるかもしれません。

 そういった場合は、誰かの行動を習慣化しなおすことで、家族全員の生活リズムを取り戻し、計画通りに物事を進めることができるようになります。

2-3.家族の協力を得やすくなる

 また、家族全員が家族の習慣(暗黙のルール)を意識することで、お互いに協力しやすくなります。

 「○時からは妻が○○をするはず」「○時からは夫が○○をするはず」といったお互いの行動をイメージできるようになり、お互いに協力しやすくなります。

 さらに、「妻が○○している間は、子どもと遊ぶ」というような"夫の協力"も、毎日続けている内に、"夫の習慣"に変わっていきます。

2-4.物事を継続しやすくなる

 このように、「〇時に妻が○○していないと落ち着かない」という状態まで、家族全員に妻の習慣が擦りこまれれば、継続しやすくなると考えられます。

 むしろ継続しなければ、誰もが不安な状態になる為、「家族が支えてくれている分、ちゃんとやらないと」という責任感(連帯感)も生まれやすくなります。

 そのようなプレッシャーを嫌がる方もいますが、ある程度のプレッシャーが無ければ、なかなか物事を続けることはできません。

 お互いに適度なプレッシャーを受けながら(与えながら)、家族全員で継続していくと良いでしょう。

3.子育て生活を習慣化する方法

 続いて、実際に子育て生活を習慣化する方法について、紹介します。

 なお、これから記載する方法は、一つでも欠けていると、習慣化できない可能性が高い為、注意が必要です。

3-1.習慣化する目的と行動を考える

 まずはじめに、自分が習慣化したい理由(目的)と行動を考えましょう。闇雲に「筋トレを1日30分しよう!」と行動を決めるのではなく、「こんな身体になりたい」という目的を先にイメージすることが大切だと考えられます。

 そして、その理想の身体になる為に、本当に必要な行動を考える必要があります。

 例えば、理想の身体を目指す、と言っても「2日おきに1時間の有酸素運動」、「1日おきに30分の無酸素運動」、「食事制限」等、様々な行動が考えられます。

 習慣化を始めてから簡単に中断や変更するべきではない為、いま考えている行動が、本当に目的達成のために欠かせないものなのか、よく考えて習慣化する必要があります。

3-2.必ず家庭内の同意と協力を得る

 また、当たり前のことですが、必ず家庭内の同意と協力を得る必要があります。

 強引に家族の同意を得ても協力は得られにくい為、まずは目的からひとつひとつ説明していきましょう。

 その目的から理解してもらえない場合は、目的を見直すことも必要かもしれません。

 例えば、前述した「理想の身体を目指す」の場合は、「家族を守る為の最低限の身体が欲しい」「容姿を綺麗に保っていたい」「何かに挑戦して成し遂げたい」等、別の目的に置き換えることが可能です。

 家族全員が同意できるような目的に置き換えつつ、自分の目的も包括できるような目的を考えると良いでしょう(目的決定に、意外と時間がかかると思います)。

3-3.中途半端にせず必ずやり遂げる

 そして、家族の同意と協力が得られた目的(行動)は、中途半端にせず、必ず最後までやり遂げる覚悟も必要です。

 少し厳しいかもしれませんが、「こんなことがやりたい!協力してくれ!」と懇願してきた相手が、自分勝手に中途半端に取り組んでいたら、誰でも協力したくなくなるものです。

 一度や二度であればまだしも、何度も何度も続くと、「どうせ次も続かないから」といって、暗黙的に習慣化を避けるようになる可能性もあります。

 「やりたいと騒いで、やりだしたら途中で飽きる」という一連の流れが習慣化されてしまう恐れまであります。

 一度やり始めたら、中途半端にせず、必ず最後までやり遂げるようにしましょう。

3-4.最低ラインと標準ラインを決める

 しかし、"最後までやり遂げる"ということは意外と大変です。

 そこで、事前に行動の最低ラインと標準ラインを決めておくことをオススメします。

 例えば、学生の頃に「勉強を毎日30分する!」と決めても、大体「今日は面倒くさい…、もういいか…」となってしまい、徐々にサボる日数が増えていったことは無いでしょうか。

 これは、毎日自分が望まない行動を強制されている状態(100%)から、サボることで負担が解放された状態(0%)まで、急激に楽になっている為、当然の反応だと考えられます。

 そこで、その急降下を下げる為に、「本当に面倒な日の行動(20%)」「普通の日の行動(60%)」「やる気のある日の行動(100%)」に分けて考えておく必要があります。

 前述した例で言えば、「最低でも5分は勉強する」「通常は30分勉強する」「集中できれば1時間勉強する」といったイメージです。

 ほとんどの行動は、やり始めが一番やる気が出にくく、やり始めることさえできてしまえば、意外とそのまま行動できるものです。

 また、本当にやる気が無い(集中力がない)状態で行動しても、望む効果は得られにくい為、「本当に面倒な日」は、「怠惰な自分を阻止する日」と捉えてしまった方が良い場合もあるかもしれません。

 いずれにしても、どんなに面倒な日や忙しい日でも5分だけは行動する、というような最低ラインをしっかりと決めておくことが大切だと考えられます。

3-5.できない時の代替案を事前に考える

 前述と矛盾しますが、どうしてもできない日(例えば、出張や飲み会など)がある場合は、その代替案を事前に考えておきましょう。

 例えば、本来の休息日に振り替えて行う、通常の行動時間にできなかった日の分を加算して行う、といったことが考えられます。

 事前に決めてしまっておくことで、やる気の下がっている自分が、何となくハードルを下げたり、決まりを緩和したりすることが無くなります。

 あいまいな部分を適当に緩和し始めてしまうと、どんどん「成果が下がる→やる気も下がる→…」の悪循環に陥ってしまう可能性が高い為です。

 また、事前に決めておいた代替案を、サボった後にしようとすると、0%→200%まで負担が増加したように感じてしまう為、やり始めるまでのハードルが上がってしまいます。

 事前に決めておいた代替案は、できなかった日の事後に行うのではなく、できないことが想定される前の日までのやる気のある日に実施しておくように心掛けると良いでしょう。

3-6.干渉されにくい時間帯に習慣化する

 そして、そもそも行動できない事象が発生しにくい時間帯に習慣化することも大切です。

 短い時間でできる行動であれば、「起床直後」や「就寝前」、「昼食後」がオススメです。

 特に、「起床時間」と「就寝前」は、少し早く起きたり、少し遅く寝ることによって、自分のさじ加減で調整しやすい為、他人の干渉を理由に諦めている方にはオススメです。

 前述の筋トレを例にすれば、家事や仕事に左右されやすい昼間や夕方に設定するのではなく、起床30分後に設定する、といったイメージです。

 これまで、6時に起床し、家事や仕事の準備をしていた場合は、起床時間を5時30分にずらすだけで、誰にも干渉されずに習慣化することができるようになります。

 予定外の事象によって、計画通りに継続できていない場合は、行動する時間帯を変えてみると良いでしょう。

 特に子育て世代は、「子どもの体調不良」「子どもの準備や管理」など、予定外の事象が発生しやすい為、子どもに干渉されにくい時間帯を選ぶことが最も重要かもしれません。

3-7.問題は速やかに相談して解消する

 また、「夫(妻)が○○なせいで継続しにくい」「子どもが○○をしていてできない」といった問題がある場合は、速やかに相談するようにしましょう。

 家族側が対応することが難しそうな場合は、自分の行動の方を見直す必要もあるかもしれません。

 但し、その見直しの際に、100%から急激に0%まで落として諦めてしまうのではなく、時間を減らす(変える)、行動を減らす(変える)等、別の方法を探るようにしましょう。

 過度に「嫌だ」「イライラする」といったことを感じている状態で、無理に続けていても習慣化される可能性は低い為、家族全体のそういった要素を減らす為に、話し合いを繰り返していくことも大切です。

 特に子育て世代は、子どもの成長によって家事育児のステージが変わる為、随時、目標や計画を見直していくことが欠かせないでしょう。

4.子育て生活を習慣化して新たなことに挑戦しよう!

 最後に、「生活の習慣化」には、「無理なく続ける努力」が欠かせません。

 日々の子育てや家事、仕事に追われる中で、新たなことに挑戦して努力を継続することは容易ではありませんが、その経験は、家族全員にとってプラスになるはずです。

 子育て中だからと言って、子ども中心の生活になってしまっては、子どもの負担が増えるばかりで望ましくありません(もちろん親中心の生活も望ましくありません)。

 家族で協力して、各々がやりたいことに挑戦し続ける(習慣化する)ことは、子どもにとっても親自身にとってもプラスに働くはずです。

 子育てに追われる日々だからこそ、子育て生活を習慣化して、新たなことに挑戦してみてはいかがでしょうか。