【夫婦必見】共働き世帯の子育て必勝法!本当に大切なことを明確にする

 総務省統計局「明日への統計2020」によると、夫婦共働き世帯は年々増加傾向にあります。

 女性活躍推進法が施行されたことで、女性の社会進出も進んでいますが、その制度はまだまだ未熟であり、夫婦両方に大きな負担がかかっています。

 「夫の育児協力が足りない」「育児制度利用でキャリアが遅れる」といった悩みから、「共働きで仕事と家事を両立することは無理だ」と感じている方も少なくありません。

 このままでは、夫婦共倒れで家族全体が崩壊する家庭が増えていく一方になるかもしれません。

 そこで、本記事では、そういった共働き世帯の悩みや共働き世帯でもできる子育て必勝法を紹介します。

1.共働き世帯に良くある悩み

 子育てが始まるまでは、「何とかなるだろう」と思うものですが、いざ子育てが始まると「絶対に無理だー」とさじを投げたくなることも少なくありません。

 産後初期の2時間おきの授乳から始まり、保育園に入園、小学校に就学…、と子育てのステージは次から次へと変化していきます。

 ステージが変わるたびに生活リズムが変わるだけでなく、自分自身(又は配偶者)の出世、転勤、異動といった変化もあります。

共働き世帯では、多くの時間を会社に縛られているため、自由な時間が少なく、そういった変化に対応することが難しくなっています。

1-1.家事や育児の時間が足りない

 共働き世帯に圧倒的に多い悩みとして、「時間が足りない」ということが挙げられます。

 総務省統計局「明日への統計2020」によると、家事育児の合計時間は、1日あたり8時間近くとなっています(6歳未満の子どもを養育する労働者を対象とした平均家事育児時間)。

 また、一般的な勤務形態を例にすれば、「労働8時間 + 通退勤1時間 + 休憩1時間 = 10時間」は仕事に拘束されています。

 前述は、都市部以外での残業ゼロの職場における例である為、現実的にはもう少し拘束時間は長くなる場合が多いでしょう。

 さらに、子育てにある程度配慮している共働き世帯(妻は所定外労働を制限、夫はキャリア優先)を例にすると、以下の通りとなります。

 「夫の時間 = 労働8時間 + 残業3時間 + 通退勤1時間 + 休憩1時間 + 睡眠7時間 + 生活2時間 + 家事育児2時間 = 24時間」

 「妻の時間 = 労働8時間 + 残業0時間 + 通退勤1時間 + 休憩1時間 + 睡眠7時間 + 生活2時間 + 家事育児6時間 = 25時間」

 つまり、全くイレギュラーの無い通常運転でも既に1時間足りていないことが分かります。

 その為、休日にご飯の作り置きや買い出しといった準備をして、平日の不足分を補うことになるのですが、子どもの「教科書を無くした」「明日は〇〇が必要だった」といった、イレギュラーな出来事が発生すれば、あっという間に時間が足りなくなります。

 通常運転でも全く余裕のない状態に、共働きで仕事と家庭を両立することは、「もう無理」と感じることも少なくないでしょう。

 なお、夕食づくりに困っている共働き夫婦向けに【負担軽減】共働き夫婦の帰宅後でもできる夕食作り対策【鍵は献立作りと協力】という記事も出している為、必要に応じてご覧いただければ幸いです。

1-2.家族で一緒に過ごす時間が短い

 共働き世帯の多くは、余裕のない時間割で生活しているため、必然的に家族で過ごす時間が短くなります。

 夕食時には夫が居ない、夫の帰宅時には子どもは寝ている、といったすれ違いに限らず、時間的な余裕が無いことで子どもの相手ができなかったり、夫婦で会話する時間が取れないことも少なくありません。

 家庭で過ごす時間が短い夫は、妻からの家庭の様子を共有する時間がないことと重なり、徐々に家庭や子どものことが分からなくなります。

 妻が忙しくしていても「何をすれば良いのか分からない」ため、妻の繁忙感は増加していく一方です。

 明らかにうまく回っていないことは理解しながらも、十分な話し合いの時間を持つこともできない為、お互い(又は一方)の不満が爆発するまで、どんどん溜まってしまう傾向もあります。

 「自分や家族の幸せのために仕事をしているのに」「自分や家族の幸せのために家事をしているのに」、仕事や家事をすればするほど家族と離れてしまうという葛藤に、「もう無理」と感じることも少なくないでしょう。

1-3.家族の体調不良に対応できない

 続いても、時間が足りないことと繋がっていますが、共働き世帯では、家族の体調不良に対応できないことも少なくありません。

 子どもの体調不良はもちろんながら、自分自身が体調不良になれば、普段通りの家事育児分担をこなすことができなくなります。

 夫婦二人で協力していてもギリギリの状態ですので、どちらかが体調不良を起こすと、もう一方に大きな家事育児負担が掛かることになります。

 インフルエンザや風邪といった一時的な体調不良であれば、一時的な休暇などで対応することもできますが、大きなケガや病気を患った場合、家族全体の機能が失われる可能性もあります。

 例えば、普段から家事や育児を分担してこなしている夫婦の場合、どちらか一方が倒れてしまうことで、一部の家事や育児が正常に回らなくなります。

 倒れた側の家事や育児をもう一方が受け持つことになり、「元々一人では回せない負担」を背負うことになってしまいます。こうなってしまうと、夫婦共倒れの可能性も考えられます。

 そういった大きなリスクを抱えた状態で自転車操業のように走っているのが、夫婦共働きだと言えるのかもしれません。

1-4.夫婦どちらかがキャリアを諦めなければならない

 これまでの背景から、夫婦のどちらかが所定外労働制限や短時間勤務といった制度を利用せざるを得ないことも少なくありません。

 現時点では、社会の「仕事と家庭の両立」に対する理解度が高いとは言えず、労働制限をすれば出世が遅れる可能性が高まります。

 単純な職場の評価に限らず、重要なプロジェクトや案件を担当する機会も減り、自身のキャリア形成に影響が出ることも考えられます。

 ホワイト企業ランキングで常に上位に挙げられるような大企業の中にも、育児休業や短時間勤務を利用することで、間接的に出世が遅れるケースもあります。

 キャリアを諦めたくないからこそ、共働きでも何とかやっていきたい、と日々奮闘している方もいますが、そもそも社会の十分な理解があれば、そこまで奮闘する必要もないのかもしれません。

 「仕事と家庭の両立」に対する社会の理解度の低さに、「もうやっていけない」と感じてしまうこともあるでしょう。

1-5.仕事も家庭も人並み以上を目指したい

 また、共働き世帯の中には、「仕事も家庭も人並み以上を目指したい」「家庭や仕事を言い訳に手を抜きたくない」と考えるストイックな世帯もあります。

 特に、優秀な方はそれなりにどちらも人並み以上にこなすことができてしまう為、その状態を崩さないように努力を続けてしまうものです。

 しかし、子どもが生まれてからもその状態を保ち続けることは非常に難しく、徐々にどちらかに支障をきたすことが多くなってきます。

 そうすると、「今の状態では人並み以上を維持できない」「仕事や家庭に迷惑をかけてしまう」と、自分のことを責めてしまうこともあるかもしれません。

2.共働き世帯の悩みを解消する方法

 続いては、共働き世帯の悩みを解消する方法について紹介します。

2-1.「諦める勇気」を持つこと

 共働き世帯の悩みを解消するために、最も大切なことは「諦める勇気」を持つことだと考えられます。「諦めてしまっては解決になっていない」と思われるかもしれませんが、もう少しだけ読み進めていただけると幸いです。

 この記事を読んでいるあなた自身も、既に気付いていながら目をつむっているかもしれませんが、共働き世帯の決定的な問題点は、「時間が足りない」ということです。

 しかし、人間にとって「時間は平等」であり、「人生は有限」であることを忘れてはいけません。

 どれだけ工夫をしても、専業主婦(夫)が時間をかけて取り組んでいる家事や育児と同等にすることはできません。

 どれだけ効率を良くしても、専業主婦(夫)が同じ効率で取り組んでいれば、絶対に同等にすることはできません。

 つまり、自分たちにとって優先すべきでない何かを「諦める勇気」が必要と言えます。

諦めることは挫折ではありません。本当に大切なことに時間を使えるように取捨選択することです。

  • 【「諦める勇気」の参考例】
  • ・仕事(キャリアや収入)を優先して、専業主婦(夫)と同等の家事育児は諦める
  • ・自分自身で担う家事育児を優先して、仕事(キャリアや収入)を諦める
  • ・家事育児も仕事も優先して、お金を諦める(ハウスキーパーを雇う等)
  • ・家事育児もお金も優先して、慣れた生活を諦める(より働き方の自由度が高い職種へ転職する等)
  • ・家事育児も家族の時間も優先して、余裕のある生活水準を諦める(ミニマリスト等)
  • ・すべてを優先して、睡眠時間を削り健康を諦める
  • ・結局は「家事育児」「お金」「キャリア」「家族(自分)の時間」「健康」の天秤であることを認識する

 会社員である以上、「あなたの時間を換金(給料)」しているわけであって、あなたの時間を取り戻すためには、あなた自身が「誰かの時間を購入(ハウスキーパー等)」しなければいけません。

 つまり、あれもこれも望むのではなく、「家族にとって大切なものの取捨選択」をすることが必要だと考えられます。

 その際には、自分たちにとって共働きが本当に必要なのか、も合わせて考えることが必要かもしれません。

 但し、もしも家事や育児の効率化(洗濯から乾燥まで全自動の洗濯機を購入、食洗器を活用等)をしていない場合は、まずはそこにお金を使うことから始めてみても良いでしょう。

2-2.「変える勇気」を持つこと

 もうひとつ大切なこととして、「変える勇気」を持つことです。現状の環境を変えるだけではありません。

 以下に「変える勇気」の例を紹介します。

  • 【「変える勇気」の参考例】
  • ・"自分らしい姿"を取り戻すために、完全主義や世間体を過剰に気にする固定概念を変える
  • ・過去に描いていた無理のある理想像を、新たな理想像に変える
  • ・働き方や収入面で有利な職種に変える(転職する等)
  • ・生活水準を変える(収入を減らして支出も減らす等)
  • ・キャリアに対する定義を変える(今の会社でなければ得られないキャリアか改めて考える)

 何よりも、本記事にたどり着いた時点で、何かを変えなければ解決する可能性は低いと考えられます。

 少々家事や育児を効率化したところで、劇的な改善は望めなさそうなことは、あなた自身が一番理解しているのではないでしょうか。

 その気付きに目をつむってしまうのではなく、「変える勇気」を持って何かを変えなければいけません。

 変えるものは、考え方でも、理想像でも仕事内容でも生活スタイルでも何でも構いません。

 また、これまで短時間勤務や育児休業を利用して出世した人がいないことで、それらの利用を躊躇しているのであれば、その職場の意識(又は自分自身の意識)を変える勇気を持つことも良いかもしれません。

 「短時間勤務したらキャリアは終わり」等と、人生を選択した時点から諦めてしまうのではなく、「短時間勤務してもキャリアを築ける社会にする」等と、高いモチベーションに変えていくことも面白いでしょう。

3.本当に大切なことを明確にしよう

 最後に、これまでの繰り返しになりますが、共働き世帯の致命的な問題は「時間が足りない」ということです。

 その解決策は「時間をお金で買うか」「お金に換金している時間(仕事)を減らすか」「睡眠時間を削るか」「効率化するか」しかありません。

 但し、効率化はどんな家庭でもできてしまうので、劇的な効果は望めません。

 どういった解決策を選択するのかは、家庭によって異なりますが、「共働きで子育ては無理だ」と感じたのであれば、夫婦で改めて「自分たちに本当に大切なこと」を話し合うタイミングになっていると言えるでしょう。

 共働き世帯による仕事と家庭の両立に限らず、今後も様々な困難が訪れるはずです。

 まだまだ新米ママとパパの夫婦です。夫婦で話し合って、夫婦で夫婦の答えを見つけだす習慣を身に付けていくことが、何よりも大切なのかもしれません。