【もっと楽しむ】旅行先で七五三をお祝いする方法と注意点!【お祝い事】
子どもの七五三が近づいてくると、「和装(着物など)にした方がいいのかな」「でも洋装(スーツやドレス等)の方が費用面では魅力だな」なんて悩むご家庭も多いのではないでしょうか。
無難に正式な服装(男の子なら羽織袴、女の子なら四つ身など)を着れば間違いない、と理解しつつも、たった1日衣装をレンタルして、重たい着物や歩きにくい草履にぐずる我が子を尻目に写真撮影するだけで、数万円もの出費をすることに抵抗があるものです。
そこで、本記事では、七五三そのものの費用を安く抑えつつ、七五三をもっと楽しむ方法を紹介します。
1.七五三の由来と現代における意義
まずはじめに、既にご存じかもしれませんが、七五三の由来と現代における意義について、紹介します。
- 【七五三の由来】
- ・地域によって差が見られ、有力な説はあるものの確実な由来は不明確である
- ・一般的には、3歳「髪置き」、5歳「袴着」、7歳「帯解き」に由来するとされている
- ・「髪置き」古くは、3歳頃から髪を伸ばし始める習慣があった為、そのお祝い事や厄払いとされる
- ・「袴着」古くは、5歳頃から袴を着用し始める習慣があった為、そのお祝い事や厄払いとされる
- ・「帯解き」古くは、7歳頃から大人と同じ帯を締め始める習慣があった為、そのお祝い事と厄払いとされる
- ・地域差が大きく、七五三よりも十三参りの方が一般的な地域もある
- ・現代では、単なるお祝い事や厄払いとして扱われる場合もある
そもそも七五三は、特定の地域で発祥した文化であり、時代と共に全国に広まった風習だと考えられています。
その為、全国に広まる過程や時代の変化と共に、徐々に本来の姿から変わっています。つまり、「正式な七五三と呼ばれるものは存在していない」といっても過言ではないのです。
七五三の正式な和装に関しても、文献によって違いがあり、素人には正誤の判断をすることが困難です。
それにも関わらず、多くの七五三に関する記事では、「羽織袴が正式な服装です!」、「四つ身が正式な服装です!」というように紹介されている場合があります(便宜上、仕方がないのかもしれませんが…)。
本当に正式とされる服装に従うのであれば、「羽織袴」のデザインや紐の形状などまで統一しなければいけないと考えられますが、そこまで正式な服装を準備しているケースは稀です(非常に高価になると考えられます)。
多くの場合は、羽織袴の形状をした現代風のデザイン、又は四つ身の形状をした現代風のデザインとなっています。
2.七五三をもっと楽しくする4つの心得!
上記を踏まえた上で、七五三をもっと楽しくする4つの心得について、紹介します。
2-1.由来や風習は後回しにする!
まずはじめに、七五三の由来や風習は後回しにし、子どもの成長を祝い、祈願することを最優先しましょう。
何故なら、前述でも紹介した通り、「七五三には、そもそも正式な由来や風習は存在しない」といっても過言ではないからです。
少なくとも、地域や家庭によって、服装や方法に差があることは間違いありません。
「知人の家庭はやっている」「ネットではやっている」等ということを、全て気にしていると、全国の風習の良い部分を全て反映し、盛大なお祝い事をしなければいけなくなります。
具体的には、七五三を盛大にお祝いしている地域もあれば、十三参りを盛大にお祝いしている地域もあります。
それら地域の風習を全て取り入れると、時間とお金がいくらあっても足りません。
つまり、正式だと言われる由来や風習に振り回されるのではなく、「自分たちにとってどんなお祝い事が必要か」ということに視点を向けるべきだと言えます。
但し、祖父母がどうしても守ってほしいと考えている風習がある場合は、ある程度、配慮する必要はあるかもしれません。
2-2.費用と場面に合わせて衣装を選ぶ!
これらを踏まえると、費用や場面に合わせて衣装を選べば良い、と考えることができます。
例えば、「近々、知人の冠婚葬祭に出席しなければいけないから、再利用できるスーツ(又はドレス)にしよう」「可愛い姿が見たいから被布にしよう」「キャラクタが好きだからキャラクタ物の衣装にしよう」等があります。
さらに言えば、「5歳の時は、正式(と言われる)羽織袴にする代わりに、3歳の時は普通の着物にしよう」「家族の集合写真が撮りたいから、揃って着物にしよう」「屋外で躍動感のある写真にしたいから、動きやすい服装にしよう」といったことも考えられるでしょう。
現代では、写真館のプラン(主にスタジオ撮影+祈祷日の衣装レンタル)通りにされる方もいますし、本当に身軽な服装(セミフォーマルな服装)でお祝いされている方もいます。
参考までに、各服装ごとに向いている方の特徴を紹介しておきます。
- 【正式な和装が向いている方】
- ・やっぱり由来や風習は無視できない方
- ・お金はどれだけでもかけてあげたい方
- ・周囲の目が気になってしまう方
- 【適度な和装が向いている方】
- ・由来や風習をある程度守りたい方
- ・特別な日を演出して楽しみたい方
- ・子どもの着物姿を見たい方
- 【洋装(スーツやドレス等)が向いている方】
- ・由来や風習、周囲の目が気にならない方
- ・普段着ない服装(和装)に魅力を感じない方
- ・動き回って躍動感のある撮影をしたい方
- 【祈祷だけが向いている方】
- ・由来や風習、周囲の目が気にならない方
- ・子どもが喜ぶことにお金を使いたい方
- ・面倒なお祝い事は避けたい方
2-3.旅行と合わせて計画する!
費用や場面に合わせて衣装を選定すると、衣装代を通常よりもかなり安く抑えられることがあります。
特に、3歳の男児は、動き回りたい欲求が大きく、正式な着物(+草履)よりも、スーツ(+黒い靴)や適度な和装の方が、屋外撮影に向いていると考えられます。
子どもの特性を踏まえた判断ですが、その一方で、「子どもにお金をかけなかった」ということに、何となくもやもやする方もいることでしょう。
そういった方には、「安く抑えて浮いたお金で、旅行に出かけて七五三をお祝いする」という方法がオススメです。
有名な観光地(日本三名園など)であれば、着物のレンタル店が多くあり、衣装代を安く抑えることができるメリットもあります。和装にそれほどこだわりや興味がない方であれば、旅行に出かけた方が子どもも両親も楽しむことができると考えられます。
2-4.着物もスーツ(ドレス)も着る!
また、「着物かスーツか、どちらにしようかな…」というような、二者択一の話題をよく耳にしますが、別にどちらかに限定する必要はありません。
「子どもの成長を祝うお祝い事」ということを前提にすれば、「観光地で着物を着てお祝いと記念撮影」「地元でスーツを着て祈祷」としても全く問題ないわけです。
多くの有名店が用意している撮影プランでは、「スタジオで着物を着てお祝いと記念撮影」「神社やお寺で動きやすい着物を着て祈祷」となっていますが、その限りではありません。
3.旅行先の七五三をもっと楽しくする8つの注意点!
続いて、実際に旅行先で七五三をお祝いした筆者の経験を基に、旅行先の七五三をもっと楽しくする注意点について、詳しく紹介します。
3-1.旅行では忘れ物に注意しよう
まずは、当たり前のことですが、忘れ物に注意しましょう。
七五三の為に用意した衣装や小道具に集中するあまり、子どものパジャマや歯ブラシといった日用品を忘れてしまうケースもあります。
筆者の家庭では、七五三のお祝いをする上の子の準備に集中しすぎて、下の子のパジャマを忘れてしまう、といった事態もありました(旅先で購入するハメに…)。
なお、お子様と旅行に出かける際の持ち物や注意点については、乳幼児と旅行する際の必需品と注意点【リスト有】にて詳しく紹介していますので、良ければそちらをご覧ください。
3-2.衣装は旅行先でレンタルしよう
続いて、旅行の主な目的である七五三関連の忘れ物を減らす為に、衣装は旅行先でレンタルすることをオススメします。
但し、当日レンタルが気軽にできる観光用の着物店では、正式な和装を取り扱っていなかったり、地域の風習に基づいた衣装しか取り扱っていない、といった場合があります。
地域によっては、「3歳の七五三を祝う風習がない為、衣装の用意がない」といった場合もあるほどです。
そこで、地域や天候に左右されず、間違いなく利用できる方法として、ネットレンタル店による宅配レンタルをオススメします。
宅配レンタルの届け先を宿泊するホテルに指定しておけば、ホテルで受け取り、ホテルからそのまま送り返すこともできる為、手荷物を減らすことができます(ホテルに事前確認要)。
また、宅配レンタルであれば、店舗予約と異なり、数日間レンタルすることができる為、天候に左右される可能性も低くなります。
- 【観光地の店舗によるレンタル】
- ・全く知識が無くてもスムーズに着付けできる
- ・繁忙期では急な天候不良等の際に予約変更が難しい
- ・地域の風習によって衣装の取扱いが無い場合もある
- ・万が一(予約ミス等)の場合に代替策を相談しやすい
- 【ネット店舗による宅配レンタル】
- ・複数日レンタルで急な天候不良等にも対応しやすい
- ・地域の風習に左右されず衣装を準備できる
- ・家族全員が着付ける場合は時間がかかりやすい
- ・宅配に対応したホテルを選ぶ必要がある
筆者が実際に利用して良かったと感じたのは、観光地(京都や金沢)に店舗を構えていて、着付けに不安のない「きものレンタルwargo」です。
直前レンタルの場合は、観光用の着物しか無い場合もありますが、事前に手配しておけば正装も手配可能です。
但し、3歳の男の子用の正装は用意されていない(2020年12月時点)為、もしも正装が必要であれば、「楽天市場で見る:七五三+男の子+レンタル」でレンタルすることが可能です。
なお、楽天市場で宅配レンタルする場合は、「足袋だけ自分で準備が必要だった」なんてことにならないように、できる限り、フルセットで揃っているものを選ぶようにすると良いでしょう。
また、いずれの場合にしても、繁忙期(10~11月頃)に七五三を予定している場合は、最低でも1~2ヵ月前には、予約をしておくように心掛けましょう。
直前では、平日でも予約が取れないことも少なくありません。
3-3.七五三の撮影は午前中に終わらせる
続いて、ここからは実際の旅行先での計画になりますが、七五三の撮影は、午前中に終わらせるようにすることをオススメします。
午前中に撮影を終わらせてしまう理由としては、撮影がお昼ご飯や子どものお昼寝の時間に被ると、子どもの機嫌が悪くなりやすい為です。
例えば、七五三の撮影に丸一日あてて、余裕のある撮影をしようと考え、朝をゆっくり過ごす方がいます。具体的には、10時頃から着付けを開始し、12時頃から撮影を開始するケースが考えられます(人数にもよりますが、着付けに1~2時間かかります)。
このケースは、一見すると、午後に丸々撮影できるように思えますが、実際には、着物で子どもの食事をとらなければいけなかったり、お昼寝の時間に被って子どもの機嫌が悪い、といった事態に陥りやすくなります。
自分たちで着付ける場合は、お昼ご飯やお昼寝の時間を気にしなくて良いように、「7時頃から着付けを始めて、10時頃から撮影開始、12時には撮影終了」などとすることをオススメします。
店舗による着付けは、9時頃から開始の場合も多い為、「9時頃から着付けを始めて、11時頃から撮影開始、12時には撮影終了」とすると良いでしょう。
時間帯がどうしても合わない場合は、軽食(パンやおにぎり)を準備して着物でも食べられるようにしておいたり、お昼寝の時間をずらすように、朝遅くまで寝かせておくようにしましょう。
また、撮影地と着付け店に近いホテルに宿泊するようにしておけば、時間ロスが少なくて便利です。
3-4.撮影はさっさと終わらせて観光を楽しもう
続いて、撮影はさっさと終わらせて、観光を楽しむ計画としておくことをオススメします。
その理由はいくつかありますが、まずひとつめに「子どもの集中力が持たない」ということが挙げられます。
子どもの集中力は、30分から良くても1時間、が限界だと考えて、撮影を計画する必要があります。
「せっかくの着物だから…」とダラダラと撮影していると、子どもが不機嫌になり、旅行を楽しめなくなってしまう可能性が高まります。
また、せっかく綺麗な着物を綺麗な観光地で着ているのに、全く観光を楽しまずに、子どもの撮影だけで終わってしまうのはもったいないものです。
「撮影時間は、10時~12時まで!」等と事前に決めて、それ以降は、いつもの思い出撮影くらいに抑えて撮影するようにすると良いでしょう。
なお、3歳児と着物で丸1日観光をする場合は、ベビーカーを用意しておくことをオススメします(余談ですが、日本三大名園の兼六園がある金沢市なら1日200円でベビーカーを借りることができます)。
3-5.旅行先の風習を知っておこう
続いて、旅行先の風習についてもある程度、調べておくことをオススメします。
例えば、地域によっては「七五三の祈祷はしていない」「3歳の男の子の七五三をする風習がなく、衣装が無い」といったケースもあります。
「宅配レンタル」かつ「祈祷は地元で」という場合は、あまり気にする必要はないかもしれませんが、あまりにも地域の風習に合っていないと、珍しい目で見られるかもしれません。
3-6.衣装はルール通りでなくても気にしなくて良い
なお、衣装はルール(やマナー)通りでなくても気にする必要はありません。
例えば、男の子の3歳の着物が手配できなくて、観光用の着物になったとしても、素人には、その着物が「観光用だ!」なんてことは分かりません。
そもそも写真館等でレンタルしたとしても、観光用の着物にしか見えない着物が用意されている場合も多くある為、自分たちにこだわりがない限り、そこまで厳密に守る必要はないと考えられます。
特に、観光地で撮影する場合は、動きやすい着物を意識される方も多く、周囲からは、「七五三かしら、可愛いね~」程度にしか見えていません。
3-7.祈祷は地元の神社やお寺でしてもらおう
続いて、ここまで旅行先での七五三をオススメしてきましたが、祈祷は地元の神社やお寺でしてもらうことをオススメします。
そもそも祈祷は、その地域の氏神様(又は仏様)に対して祈りを捧げるものだと考えると、子どもを毎日見守ってくれている地元の神社やお寺で行ってもらうことが一般的だと考えられる為です。
また、安産祈願やお宮参りをした地元の神社やお寺をほったらかして、七五三だけ県外の神社やお寺で祈祷してもらうというのは、あまりオススメできる行為とは言えません。
少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、観光地では着物を着て撮影し、地元の神社やお寺では、スーツ(やドレス)を着て祈祷すれば、着物もスーツ(やドレス)も着れてお得感があります。
スーツ(やドレス)は、冠婚葬祭用のものを1着用意しておけば、無駄にもなりません。
3-8.失敗も含めて楽しもう
また、心得のようになってしまいますが、自分たちで撮影する七五三は、失敗も含めて楽しめば良い、という心掛けが大切です。
「小さな子どもと一緒に旅行する」「初めての土地を歩く」「慣れない撮影を自分たちで行う」といったことを考えると、うまくいかないことがあって当たり前です。
プロの旅行ガイドやカメラマンを連れていても、全て100点満点にすることは難しい計画を、素人だけで全て100点満点にすることは、ほぼ不可能と言っても過言ではありません。
余談ですが、筆者が初めて旅行先で七五三をお祝いした際には、子どものパジャマを忘れたり、下の子のミルクが足りなかったり、希望する衣装の予約が取れなかったり、と散々でした。
そういった経験を経て、本記事に注意点をまとめていますが、それでも全て100点満点にすることは、簡単ではありません。
失敗も許容できるくらい気持ちに余裕をもって、旅行先の七五三を楽しむようにすると良いでしょう。
4.お祝い事と旅行をセットにすれば楽しさ倍増!
最後に、写真館で撮影してもらうことを辞めて、浮いたお金で旅行に出かけることは、本当に有意義な体験になる、ということを改めて伝えさせて頂きます。
筆者の個人的な見解ではありますが、写真館の撮影では、「それほど楽しくない撮影の"記憶"」と「綺麗な"記録"」が得られるのに対して、旅行先では、「子どもも大人も楽しい撮影の"記憶"」と「少し下手な"記録"」が得られると思います。
同じ数万円をかけるとして、どちらが良いと感じるかは、人それぞれ異なっていると考えられますが、旅行先で七五三をお祝いすることで、貴重な思い出と体験が得られることは間違いありません。
当然ながら、写真館の撮影もして、旅行もできれば一番良いのかもしれませんが、どちらかひとつを選ぶ、とするならば、"記憶"と"記録"のどちらを優先するか、を基に検討すると良いのかもしれません。
- 【旅行先の七五三で得られるもの】
- ・子どもも大人も楽しい思い出(失敗含めて)
- ・楽しさや躍動感が伝わる写真
- ・ピントがずれた少し下手な写真
- 【写真館の七五三で得られるもの】
- ・周囲に見せても恥ずかしくない写真(無難な写真)
- ・緊張感と少し大人な表情が伝わる写真
- ・子どもはあまり楽しくない思い出(旅行と比較して)