【育休経験者が教える】夫が育児休業中にすべき家事の効率化と楽しみ方!
これまで、主に女性が家事や育児を実施していた背景から、家事や育児には、女性目線でのやり方が根強く残っています。※決して、女性目線での家事や育児のやり方を否定しているわけではありません。
また、共働き世帯の場合は、仕事と家事の両方をしなければいけない為、家事や育児の効率化が後回しになっていることも少なくありません。
反対に、専業主婦世帯の場合では、それなりの時間余裕がある為、効率化よりも節約のためにむしろ労力をかけている場合もあります。
ただ、せっかく育児休業するなら不要な家事の労力や手間を削減して、育児に向き合う時間を増やしたいと考えるのが当然の流れだと思います。
そこで、長期育児休業を取得した筆者の経験を基に、夫の育児休業を機に、男性目線で家事や育児を効率化するメリットや事例について、紹介します。
1.男性目線で家事を効率化するメリット
まずはじめに、"男性目線で"家事を効率化するメリットについて紹介します。
なお、男性目線でない単純な家事の効率化のメリットについては、「他のことに時間を使える」に集約されますし、家事効率化をうたう様々な書籍などでも紹介されている為、本記事では"男性目線で効率化するメリット"に絞って紹介します。
1-1.夫の方が得意な家事が生まれる
世の中には、「家では妻の尻に敷かれている」という言葉があるほど、多くの家庭で妻の方が家事や育児の実権をにぎっています。
その理由は、やはり妻が中心となって家事や育児をしている背景があり、いわゆる"妻ルール"の基で家庭が成り立っているためです。
育った環境が異なっていれば、お互いの常識 (ルール)も異なっているものですが、妻が実権をにぎっていると、全て妻ルールに合わせなければならないことも少なくありません。
しかし、夫が効率化した"夫ルール"の家事を作ることで、家庭内での夫婦のバランスが保たれ、家事に対する夫の発言権が生まれます。
夫としては、家事に対する自信が生まれ、"夫ルール"でやり方を改善することができますし、妻としては、夫が率先して家事に向き合ってくれれば、自分自身の家事負担が減る為、夫婦共にWin-Winな効果が得られます。
なお、夫が家事や育児に協力しなくなる理由として「何をしてもあれやこれやと文句を言われる」ということが挙げられます。
夫からすれば、"夫ルール"でしっかりと実行しているにも関わらず、"妻ルール"に適合していないことで文句を言われる為、「そこまで言うなら自分ですればいい」と投げ出してしまうこともあるようです (会社の同僚がよく愚痴をこぼしています…)。
1-2.夫の家庭内の地位を向上させる
さらに、「家庭内で夫の方ができる!」という家事があれば、家庭内の夫の地位を向上させることができます。
一昔前までは、「別に家庭内の地位なんていらない」「尻に敷かれている方が楽でいい」という考え方でも許されましたが、現代では家庭内でしっかりとした地位を築いていない男性は、社会的な地位も低く見られがちです。
例え、仕事で大活躍して会社内の地位が高くても「家族を置き去りにした人」というレッテルを貼られることとなります。
権力を持っている為、表ではちやほやされるかもしれませんが、裏では「見習いたくない上司」として、ワークライフバランスを重視する現代の若者からは支持されにくいと考えられます。
反対に、仕事で大活躍して会社内の地位が高い上に、「家族も大切にしている人」というイメージがあれば、多くの部下や同僚から尊敬されるメンター的存在になれるかもしれません。
1-3.効率化に伴う出費が理解されやすくなる
意外と大きいメリットとして、「効率化に伴う出費が理解されやすくなる (理解しやすくなる)」ということです。
具体的に言えば、効率化するためには、便利家電を購入する等、お金がかかることも多いです。
しかし、夫が家事未経験であれば、家事の大変さを理解しきれない為、「どうせ家で時間があるんだから、節約のつもりで労力かければいい」なんて理解の無い考え方をしてしまうことも少なくありません。
また、そこまでひどい考え方でなくても、便利家電等を購入する際に「労力削減の為にこんなにお金をかけるなんて…」と心の中で不満を言っている場合もあるでしょう。
しかし、夫自身が家事や育児をがっつり経験することで、毎日のルーティンワークを効率化することが、どれだけ大切か理解できるようになり、効率化に伴う出費が理解されやすくなると考えられます。
余談になりますが、1日たった10分削減しただけでも、年間で3650分 (約60時間)の削減になります。
ほぼ最低賃金である時給800円で換算しても、年間48,000円分の労力削減となります。
2.実際に効果が高かった家事の効率化3選
続いて、実際に筆者が実践して効果が高かった家事の効率化について紹介します。
2-1.洗濯編:全自動洗濯機で乾燥の手間を削減
王道だと考えられますが、洗濯から乾燥まで全自動で完了する洗濯機を導入することから始めました。
導入している人からすれば、当たり前のことかもしれませんが、筆者の家庭では専業主婦だったこともあり、労力で補えるような家電は導入していませんでした。
ただ、実際に経験してみると、天気予報を見ながら洗濯して、洗濯が終わったら洗濯機から洗濯物を回収して、回収した洗濯物を干して、頃合いを見て取り込んで…、ってこれだけでも1日30分くらいかかります。
実際にかかる時間は、世帯人数や干し方、手際の良さ等も関係してくると思いますが、いずれにしても、毎日数十分もの時間を"洗濯物を干して乾かすだけ"に使っている現実を目の当たりにしました。
恥ずかしながら、筆者が一人暮らしをしていた時は、社宅や寮だった為、当たり前に乾燥機が設置されており、洗濯物を干して乾かす労力がここまで大変だとは認識していなかったのです。
そこで、改めて妻と相談し (妻に謝罪し)、洗濯物が傷みにくく低い温度で乾燥ができる洗濯機 (乾燥機能付き)を導入しました。なお、宣伝ではないのでメーカや機種等の紹介は避けておきます。
導入当初は、乾燥の手間が省けるだけだと思っていたのですが、実際に使ってみると、午前中に洗濯物を回す必要がなくなったり、天気予報を気にしながら洗濯物の量を管理する必要もなくなった為、洗濯の一連作業が非常に快適になりました。
「毎日20~30分×365日 = 7300分/年間」の労力が削減されただけでなく、天気や時間に左右されることがなくなった為、一番効果が高かった効率化のひとつです。
2-2.料理編:給食方式で献立を考える手間を削減
続いては、給食方式で「献立を考える手間」を削減しました。
結構、ありがちな効率化の方法ですが、意外と実践している家庭は多くありません。
筆者が実践した給食方式とは、曜日によって昼ご飯の系統と、晩ご飯の主菜を決める方法です。
給食システムは都道府県によっても異なりますが、「今日は火曜日だからパンだ」とか「金曜日だからカレーだ」とか、何となく曜日で料理の系統 (丼もの、定食系、パン系など)が決まっていた記憶はないでしょうか。
筆者の家庭では、その方式を毎日の献立に応用しました。
具体的な方法は、ボリュームが大きくなるので、別記事にて紹介するとして、ざっくり紹介すると、以下の通りです。
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【給食方式の献立決定】
- ・昼ご飯は、曜日毎に「丼もの、炒飯系、カレー、麺類、…」と割り振る
- ・晩ご飯は、曜日毎に「肉、魚、肉、魚、…」と主菜を割り振る
- ・割り振った系統を基に、レシピサイトで検索し、1か月分の献立表を埋める
- ・副菜は適当に決め、鉢物と汁物は固定 (サラダ+味噌汁など)して、1汁3菜を基本とする
たったこれだけです。1か月分の献立表は結構大変ですが、2~3時間もあれば完成します。
スーパーや冷蔵庫の食材の前で「今日はこの食材で~…、でも最近作ったご飯と似てるな~…」と悩んでいると意外と時間がかかります。
何を作るか悩んで、レシピをみて足りない食材を補って、としているだけであっという間に、5分、10分が経過します。たった10分でも、1ヵ月積み重なれば、300分 (6時間)になります。
そのうえ、時間だけ経過して、結局「まぁいいや」と適当に決めてしまうこともあります。
しかし、給食方式を使ってたった2~3時間かけて献立表を考えておくだけで、毎日「今日のご飯は何にしようかな~」と悩むことがなくなるだけでなく、レシピや栄養価の偏りも改善される為、健康管理面でも効果が高い効率化となりました。
今後、復職を控えている共働き世帯の場合は、「【負担軽減】共働き夫婦の帰宅後でもできる夕食作り対策【鍵は献立作りと協力】」もご覧いただければ幸いです。
2-3.掃除編:家具の配置を見直して床拭きの手間を削減
最後に、時間も労力も有り余りやすい夫婦で育児休業している時だからこそ、楽しみながらできる効率化として、家具の配置を見直して掃除の手間を削減する方法があります。
デザイン性や居住性だけを考えて家具の配置をしていると、いざ掃除機や床拭きをする際に、あっちこっち移動しながら掃除する必要があります。
いちいち家具を持ち上げたり、掃除道具を小さいものに持ち替えたり、しゃがんで下まで潜り込まなければいけなかったり、と労力がかかっていることがあります。
掃除している本人は、その掃除スタイルに慣れてしまっている為、あまり違和感なくせっせと掃除しているのですが、それをあまり知らなかった男性がその掃除風景を見ると、「どう考えても家具の配置のせいで掃除が大変になっている…」と気付くことがあります。
筆者の家庭では、ど真ん中に床を分断する形でカーペットが敷かれていたことで、分断されている左右に分けて床拭きをしなければいけなかったり、ソファやテレビ台がコーナーに斜めに置かれていたことで、それらを動かして掃除しなければいけなかったり、と掃除に手間がかかるレイアウトとなっていました。
各家庭毎に配置や掃除方法が異なる為、具体的に説明することは難しいですが、参考までに配置を見直す為の視点を以下に紹介しておきます。
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【掃除を効率化するための家具の配置】
- ・掃除のたびに家具や敷物を動かしていないか (掃除しにくい)
- ・コード類やごみ箱など、小物類が細かい空間を作っていないか (掃除しにくい)
- ・四角い部屋を丸く使う配置になっていないか (四隅にごみが溜まりやすい)
- ・一筆書きで掃除できる動線が確保されているか (集めたごみの回収に手間がかかる)
掃除の効率が上がるだけでなく、家具の配置が変わることで、気持ちもリフレッシュされる為、おすすめです。
3.あまり効果が無かった家事の効率化3選
続いて、よく家事の効率化をうたう書籍などで紹介されている方法の内、我が家にはあまり効果が無かった例を紹介します。
なお、あくまで"我が家には適応しなかった"だけであり、以下で紹介する方法自体を否定するものではないことにご留意ください。
1.整理編:収納位置を決めて探す手間を削減
一番紹介されることが多いといっても過言ではないかもしれませんが、日用品の収納位置を決める方法です。
家庭内のありとあらゆるものの収納場所を決めることで、そのものを探す手間を削減することが主な目的と考えられますが、そもそも衣類やおもちゃ、爪切りや薬などの衛生用品は、ある程度は置き場所が決まっているはずです。
例えば、衣類の置いてある順番まで完ぺきに管理している家庭は少なくても、衣類の場所が毎回大きく変わるような家庭はそう多くないはずです。
つまり、使用頻度の高い日用品は、生活をしていく中で、暗黙的に収納場所が決まっているはず、と言えます。少なくとも筆者の家庭では、決まっていました。
リモコンのように使用頻度が高いものは、ソファの上にあったり、テレビ台の上にあったり、机の上にあったり、と微妙に場所は変わるのですが、例えば「テレビ台の上!」と決めたとしても、ソファに座ってテレビを見る時は、ソファの近くに置きますよね。
それをいちいちテレビ台の上まで持ち運ぶ方が圧倒的に手間がかかるわけで、我が家では全然効率化になりませんでした。
また、めったに使わない道具類 (例えばドライバーなど)や書類 (源泉徴収票など)についても、置き場所を分けておくと良い、と言われますが、めったに使わないので、その分けた場所すら覚えていないことも少なくありません (結局、どこに分けたか探すことになる)。
会社の棚卸表のように、保管場所まで全て電子データで管理しておけば、そのような手間は解消されますが、そもそも物が少ない筆者の家庭では、少し捜索すれば見つかる為、いちいち電子データで管理する方が圧倒的に手間がかかります。
筆者の家庭では、元々暗黙的に収納位置が決まっていた為、厳密に「これはここ!」と決めて、テプラ等で表示する手間がかかっただけで、実際の効果はほとんど感じられませんでした。
毎日何十分もかけて探し物をしている家庭であれば、効果は高いかもしれませんが、年に数回、数十分の探し物をする程度の家庭であれば、わざわざ収納位置を管理しなくても良いように思います。
3-2.補充編:消耗品の在庫管理で補充の手間を削減
続いて、消耗品の在庫管理で補充の手間を削減する (購入する回数を減らす)方法についても試してみましたが、ほとんど効果はありませんでした。
筆者のやり方が良くなかったのかもしれませんが、消耗品の在庫数を決め、収納場所に在庫数を記載し、在庫以下になれば「補充のこと!」というカードを入れ、在庫管理をするようにしてみましたが、筆者の家庭ではほとんど効果はありませんでした。
そもそもほとんどの消耗品は、在庫が1~2個で補充するようにしていましたし、食材などの買い出しに合わせて補充していた為、在庫管理が徹底された効果はあるものの、補充の手間や買い出しの頻度は変わりませんでした。
それぞれの消耗品の消費速度を把握して、適正在庫数と購入数を決めれば、全ての消耗品をまとめて購入することで、月1回以下の補充で済むようになると考えられますが、子どもの成長に合わせて消費速度は徐々に変わりますし、日常の買い出しに合わせて補充できる為、あまり効果は見込めません。
「食材類は近場で手に入るけど、洗剤などの消耗品は隣町まで買いに行かなければいけない!」というような特殊な環境であれば、かなり効率化できそうですが、「いつものスーパーでほとんどの消耗品が買える!」という筆者の家庭では、あまり効果は感じられませんでした(隣町に買い出しにいく環境ならアマゾンとか楽天で購入した方が良いような気もするので、誰にメリットがあるのか…)。
3-3.料理編:週末にまとめて買って作って手間を削減
最後は、実践している家庭が多いであろう「週末作り置き」です。
筆者の兄の家庭は、共働き世帯である為、週末作り置きをして平日は温めるだけか、軽く調理するだけ、と聞いていたので、「週末にまとめて作るなら時短にもなるはず!」と思い、実践してみました。
なお、筆者が実践した作り置きの方法は、以下の通りです。
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【筆者が実践した作り置き方法】
- ・週末にまとめて食材購入
- ・直近2日分は調理まで完了させ、3日目以降は下処理まで完了させる
- ・野菜はカットして小分け、肉類や魚類は使う分ずつ小分けにする
- ・3日目以降は、下処理した野菜と肉類 (又は魚類)で調理する
作り置きでは、5日分を全て調理してしまう人もいるようですが、さすがに5日前に作ったものを食べる勇気 (と知識)はなかったので、3日目以降は、下処理だけし、加熱して味付けすれば出来上がるようにしていました。
ただ、正直なところ、筆者の家庭には向いていませんでした。
筆者の家庭に向かなかった主な理由は、以下の通りです。
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【作り置きが向かなかった理由】
- ・(気分的に)鮮度が落ちて、味も落ちる
- ・当日メニュー変更がしにくい (食べたくなくても食べないといけない)
- ・3日目以降は、包丁とまな板を洗う手間くらいしか減らない
- ・そもそも小分けにする手間が増える
- ・作り置きに使った容器類を洗う手間が増える
- ・小分けにする袋 (ジップロック等)の消費が多い
「作り置き最高!」等と好んで作り置きをする方や、「平日は遅いから作り置きじゃないとダメ」等と仕方なく作り置きをする方もいる為、一概に作り置き自体を否定するわけではありませんが、少なくとも筆者の家庭では、「育児休業中は、作り置きの方が手間がかかる」という結論になりました。
「とにかく料理が嫌いでまとめて終わらせたい」「平日の帰りが遅くて作る時間が無い」というような家庭であれば、作り置きは有効ですが、単純に「家事の時間を減らしたい!」という家庭では、あまり効果は無いかもしれません。
4.家庭に合う家事や育児の方法を見つけよう
今回は、筆者の家庭で、家事を効率化するために実践した6つの方法について紹介しましたが、実際に効果があるか否かは、各家庭のライフスタイルによると考えられます。
「効果が無かった」とする方法についても、ただ単に筆者のやり方が悪かっただけかもしれませんし、筆者の家庭には向いていなかっただけかもしれません。
ただ、育児休業という限られた時間の中で、筆者のような効果のない実践をしてしまうことは非常にもったいないものです。
本記事の事例を参考にしながら、自身の家庭で効果がありそうかどうか判断いただければ幸いです。
少しでも有意義な育児休業を過ごせることを願っています。